状態監視振動診断技術者コミュニティ第6回ミーティング開催

状態監視振動診断技術者コミュニティ第6回ミーティング開催

「状態監視振動診断技術者コミュニティ第6回ミーティング」開催される(2014/11)

 日本機械学会は,2014年10月3日(金)に情報オアシス神田(東京都千代田区)で「状態監視振動診断技術者コミュニティ第6回ミーティング」(主査:千木良 暁司 氏)を開催した(写真1 状態監視振動診断技術者コミュニティの様子:上写真)。

 2004年にスタートした「ISO18436-2準拠 機械状態監視診断技術者(振動)」資格認証制度は今年11年目を迎えた。振動診断に特化した資格制度で,設計技術者,保全技術者から高度専門家まで多岐にわたる産業技術者が資格を取得している。カテゴリ I ~最上級のカテゴリIVまで延べ3,771名(2014年7月時点)となっており,同ミーティングは機械状態監視診断技術者のコミュニティの場として,また資格取得者へのフォローアップの場として毎年開催している。

 6回目の開催となる今回は60名が参加し,当日は同コミュニティ幹事の比土平 幸代 氏(新川センサテクノロジ)の司会進行,千木良主査の挨拶の後,「運用中の機械状態監視診断技術の最前線」を同コミュニティ幹事の渡部 幸夫 氏(東芝原子力エンジニアリングサービス)が特別講演した(写真2)。

東芝原子力エンジニアリングサービス 渡部 氏
  写真2 東芝原子力エンジニアリングサービス 渡部 氏

 また,今回初めて会場に機器展示コーナー(写真3)を設け,大西 徹弥 氏(新川電機),嶋田 繁年 氏(IMV),内田 洋之 氏(JFEアドバンテック)による機器展示や事業内容のプレゼンテーションを行った。

機器展示の様子
  写真3 機器展示の様子

 後半では,「非接触変位センサの原理と特徴」を瀧本 孝治 氏(新川電機,写真4)が講演し,最上級のカテゴリIV合格者による事例紹介,「オンライン振動状態監視センサのトラブル事例」として,センサのフィールドサービス時に海外を含む現場で経験したセンサ設置事例や現地で発生した色々な振動センサのトラブル事例を有馬 和秋 氏(新川センサテクノロジ,写真5)が,「圧縮機駆動用ガスタービンの回転同期振動」として,プラント建設後の試運転時における振動発生から,トラブル原因の究明や解決策などを足立 章 氏(東洋エンジニアリング,写真6)がそれぞれ紹介した。

写真4 新川電機 瀧本氏(左)/写真5 新川センサテクノロジ 有馬氏(中)/写真6 東洋エンジニアリング 足立氏(右)

 また恒例となっている,事前のEメールによる振動相談4件を渡部幹事が紹介(写真7),訓練機関の講師や来場者による討論や活発な意見交換が行われた。

振動相談の様子
  写真7 振動相談の様子

 なお,Eメールによる振動診断やコミュニティについては日本機械学会の「状態監視振動診断技術者コミュニティ」のホームページ(http://www.jsme.or.jp/conference/joutai)にて詳しく紹介している。

 最後に参加者相互の技術討論会(写真8)では,講師や資格取得者による情報交換などコミュニティの場として,日頃聞くことができない現場での悩みや相談など個別に意見交換が繰り広げられた。今回参加の資格取得者の声を聴くと,「技術力のスキルアップだけではなく,対外的なトラブルシューティングや技術対応の際に,名刺に資格認証の肩書を入れることで,技術や技能を持ったエンジニアとしての評価につながっている」,「振動診断だけでは現場の設備管理は不十分なため,トライボロジーの資格認証も並行して取得している」といった声が聞かれた。

技術討論会の様子
  写真8 技術討論会の様子

 なお,次回の第7回ミーティングは2015年10月2日(金)に大阪で開催される予定で,機械状態監視診断技術者(トライボロジー)資格認証者,資格習得の希望者も参加可能となっている。

最終更新日:2022年12月20日