日本原子力発電の機械状態監視診断技術者(振動) 訓練 | ジュンツウネット21

日本原子力発電株式会社(以下,当社)は,電力会社および電力関係会社の社員を主な対象とし,日本機械学会の主催する振動診断の資格認証試験を受験するための訓練機関として,2004年度に認定を受け,2005年度から振動診断の訓練コースを開催している。

はじめに

当社は,原子力発電の開拓企業化のため,1957年に日本で唯一の原子力発電専業の会社として設立された。1966年には,日本初の商業用原子力発電所である東海発電所の営業運転を開始(1998年3月に営業運転を終了し,現在,廃止措置中)し,1970年に商業用軽水炉で日本初の敦賀発電所1号機(沸騰水型炉〈BWR〉),1978年に110万kW級で日本初の東海第二発電所(BWR),1987年には日本初のPCCV(プレストレスト・コンクリート製格納容器)を採用した加圧水型軽水炉(PWR)である敦賀発電所2号機の営業運転を開始した。また,改良型PWRである敦賀発電所3,4号機については建設準備中である。

当社は1988年12月に,茨城県東海村に研修施設として総合研修センター(2012年4月から東海総合研修センターに名称を変更)を開設した。施設では,社員に共通して必要な一般教育,運転員・保修員など技術系社員に対する専門教育を行い,当社の経営基盤の強化および発電所の安全・安定運転に資する人材の育成を図っている。当社の社員以外にも,電力会社,関連会社の社員や,国際協力機構を通じて来日する海外の技術者などの教育も行っている。また,2012年10月に福井県敦賀市に敦賀総合研修センターを開設し,東海総合研修センターと連携をとりながら教育を行っている。

両総合研修センターには,研修棟,宿泊共用棟がある。研修棟の主要施設としては,教室,討議室,講師控室,研修生控室,事務室,フルスコープシミュレータ,保修訓練設備などがあり,これらの設備を用いて原子力発電や現場の機器の仕組み・動きについて勉強したり,運転操作・機械設備等の分解点検の訓練などを行っている。宿泊共用棟には談話室が設けられており,希望者がいればアフターケアとして談話室での補講や,講師とのマンツーマン授業が行える。

研修コース

社外に公開している当社の研修コースは,「設備管理関連コース」,「原子力専門コース」,「廃止措置関連コース」,「放射線管理関連コース」,「原子力初級関連コース」の5つに分類される。ISO18436-2準拠 機械状態監視診断技術者(振動)訓練機関の訓練コースとして,設備管理関連コースの中に,「振動診断技術者養成コースカテゴリ I (C I ),カテゴリII(C II),カテゴリIII(C III)」を開設しているので,以下にその特長等について紹介する。

訓練の特長

振動診断技術者養成コースを担当する講師は6名で,振動診断に関する研究,開発などの業務に長年従事した社外の振動診断のスペシャリストに依頼している。

当社の訓練コースの特長としては「研修期間および訓練時間」,「アフターケア」,「講師自前の説明資料」,「修了試験後の問題分析」が挙げられる。

(1)研修期間および訓練時間

研修期間は,カテゴリ I およびII は受講生の予習・復習が十分にできるように,前半3日間,後半3日間という期間に分割して行っている。また,訓練時間についても,受講生の理解をより深めるため,規定時間数よりも多くの時間(カテゴリ I :規定32時間に対し40.5時間,カテゴリII :規定38時間に対し41時間)をとっている。訓練では,受講生の理解度をより深めることを目的として,机上教育以外にもローターキット,振動分析計等を用いた実習を行っている。

カテゴリIII では受講生の時間的負担を軽減させるために,研修センターでの講義を3日間に短縮し,訓練時間の不足分については,コース終了後に自宅等での演習問題等による自習を組み込んだ方式で実施している。

(2)アフターケア

前述の通り,カテゴリ I およびカテゴリII については,訓練時間を規定より多くとっているが,さらに受講生が理解不足の箇所については,「アフターケア」として1日の受講が終わった後に補講を行っている。このアフターケアは受講生に好評で,遅い時には夜11時頃まで費やすこともある。研修棟と宿泊共用棟が施設内にある当社の強みがあってこそ行えることとも言える。

(3)講師自前の説明資料

養成コース用に標準テキストが受講生に配られるが,当社では教材として,標準テキストのほかに,講師自前の説明資料を使う。これは,標準テキストに比べ,講師自前の資料はポイントがわかりやすく,講師としても,自前の資料の方が説明しやすいという利点がある。

(4)修了試験後の問題分析

修了試験後の問題分析は,受講生がどこで間違いを犯したのか,どの問題の正答率が低いのか,などを技術委員会で細かく分析する。分析結果を講師に伝え,次回に向けての傾向と対策をしっかり練ることを重点的に行う。

訓練風景
訓練風景

今後の展望

毎回,受講生の顔ぶれが変化し,出題問題に深みが出てきた昨今,臨機応変に対応し,受講生の合格率を100%にすること,また,資格試験に合格するだけでなく,フィールドバランスの考え方や取り方などを身につけてもらい,実践で役立つようにしていきたい。

なお,ISO18436改定に伴うカリキュラムおよび訓練時間の見直しに対応する訓練は,2015年度第2回訓練より実施する予定である。

お申し込み,お問い合わせ先

〒319-1117 茨城県那珂郡東海村東海3-4-1
日本原子力発電株式会社
東海総合研修センター 教務班
TEL 029-287-0111  FAX 029-287-0112
E-Mail tr-center@japc.co.jp または genden_koho_09@japc.co.jp
URL:http://www.japc.co.jp/tokai-training/tokai_course_2016.html
※主として電力会社および電力関係会社