「ハノーバーメッセ2021 プレスプレビュー」開催される | ジュンツウネット21

 世界最大級の産業見本市であるドイツ・ハノーバーメッセはコロナパンデミックの影響で昨年2020年は開催を中止し,2021年は4月12日(月)~16日(金)までの5日間オンライン開催となる。開催まで2ヵ月あまりとなった2月3日(水)には会場となるドイツ・ハノーバーから「HANNOVER MESSE Preview 2021 Press Conference」をオンラインで配信し見どころなどを紹介した。

 「昨年はコロナパンデミックにより産業のデジタル化が加速したが同時にグローバルサプライチェーンの脆弱性が露呈し,現在は前例のない激動の真っ只中にある。今回“HANNOVER MESSE Digital Edition-産業変革の時代におけるイノベーション”では,ネットワーキング,オリエンテーションのための中心的なプラットフォームがその答えを出す」と主催者のドイツメッセ社CEOのJ.ケックラー氏は語る。

ハノーバーメッセ2021 プレスプレビュー

 展示会の中核を担うEXPOエリアでは「Digital Ecosystems」「Engineered Parts & Solutions」「Global Business & Markets」「Compressed Air & Vacuum」「Energy Solutions」「New Work」の6つのコンセプト30のテーマゾーンで構成される。出展者からの製品概要を最良のアプリケーション,ビデオチュートリアル,ライブストリームとビデオチャットにより一方通行ではなく,相互に直接情報交換が出来る。

 また4月12日のアンゲラ・メルケル首相によるオープニングに始まり,技術革新とソリューションに関する会議を13日から15日まで連日開催。16日にはWomen Powerキャリアコングレスとして「RESET. RETHINK. RESTART」をモットーにしたワークショップ,パネルディスカッション,ネットワーキングが行われる。ここでもネットワーキングでの目玉の一つに参加者と出展者,講演者などがチャットやビデオ会議で直接連絡が取れることにある。

 HANNOVER MESSE Digital EditionはIndustrie 4.0,FA,IIoT,AI(人工知能),5G,スマートロジスティクスなどの最新トレンドとトピックを発信する。

 パートナーカントリーはインドネシア。急成長を続けるデジタルサービスや主要産業であるアパレル,食品,飲料,オートバイなどの自動車,エレクトロニクスや化学産業などパートナー国として魅力を紹介する。

 また出展企業を代表し16社が出展情報をプレゼンテーションした。ここではセンシングやメンテナンス,トライボロジーなど注目されるトピックとして3社の出展内容を紹介する。

igus® GmbH

 モーションプラスチックの樹脂チェーンやケーブル,ベアリングを製造するigus®は,低コストの垂直多関節ロボット用の連結アームや各種ロボット向けに無潤滑のトライボポリマーを使用した新しいモジュラーギヤボックスキットを出展する。

 摩擦ポリマー技術に基づき新しいタイプのひずみ波歯車を開発,無潤滑の高性能ポリマーを使用し非常にコンパクトで軽量,費用対効果の高い生産が可能となりメンテナンスの必要がほとんどなく長寿命である。

 このためロボットの関節アーム,リニアロボット,デルタロボットなど様々なグリッパシステムで使用できる。

igus GmbH ハノーバーメッセ2021

HARTING Stiftung & Co. KG

 データ,信号,電力の3つのライフライン向けの産業用接続テクノロジーを提供するハーティングテクノロジーグループ。「Connectivity+」に注力し,Eモビリティ,産業用DC電源供給,2芯による新イーサネット伝送技術シングルペアイーサネット(SPE)など最新の産業用通信技術を提供する。産業のデジタル化に向けた強力なインフラを構築しており,SPE産業パートナーネットワークの一員として,センサーからクラウドまでカバーするSPEエコシステムの取り組み,電力インフラ,E-モビリティや鉄道向けのコネクタやソリューションを紹介する。

HARTING Stiftung & Co. KG ハノーバーメッセ2021

Karlsruhe Institute of Technology

 2009年にカールスルーエ大学とカールスルーエ研究センターの合併により誕生したカールスルーエ工科大学(KIT)。

 機械メンテナンス用の人工知能(AI),世界最小のトランジスター及び気候に中立な合成燃料。これらの技術開発を出展する。

 Camera-based Spindle Controlは,ボールねじ駆動の表面欠陥をカメラで検出。記録された画像から耐摩耗性を機械学習と組み合わせることで画像ベースを可能にし,スピンドル表面の直接かつスマートな評価が出来る(写真など2020年プレスプレビューから)。

Karlsruhe Institute of Technology ハノーバーメッセ2021

 なお,イベントや出展者,チケットの購入方法など詳細情報はハノーバーメッセの公式HPを参照して頂きたい。
https://www.hannovermesse.de/en/

最終更新日:2021年3月17日