さびは,金属製品の外観を損ねるだけでなく,製品機能の低下ももたらします。昨今の製造業では,金属の腐食やさびに起因する事故やトラブルの発生なども少なくないことから,さびを防ぐことは非常に重要です。当コンテンツは,防錆剤の各製品の種類や用途を紹介します。また防錆方法別に最近の防錆技術を解説します。
ご利用上の注意
ご利用上の注意
タイプ別防錆剤
防錆ガイドは防錆油,防錆剤,防錆フィルム,防錆紙のタイプに分類し,さらにそれぞれのタイプ別の防錆剤を用途別に分類し,該当するする分類の製品をご紹介します。下記のボタンから使用目的別に防錆剤の一覧を切替えられます。
防錆剤の種類
防錆剤の種類とその特徴を解説します。
さび止め油
- さび止め油の規格はJIS K2246に指紋除去形,溶剤希釈形,ペトロラタム形,潤滑油形,気化性さび止め油の5形・15種類が規定されている。
- その他,JIS規格にすべて合致しないが,性能的には規格品に相当する湿潤試験性能を有するさび止め油がある。
水溶性防錆剤
- 水で希釈。常温または加温使用。
気化性水溶性防錆剤
- 水で希釈。常温または加温使用。気化性を有する。
気化性防錆剤
- JIS Z1519。粉末または固形状。常温使用。気化性を有する。
さび止め紙
- 非防湿形:非防湿性の紙に気化性さび止め剤を塗布または含浸した物。
- 防湿形:防湿性の紙に気化性さび止め剤を塗布または含浸した物で,JIS Z1535:1994の4(品質)の試験に合格するもの。
さび止めフィルム
- さび止め剤または気化性さび止め剤を練り込みまたは塗布してあるプラスチックフィルム。
可剥性プラスチック
- 塗装形:JIS Z1708。常温で吹き付けまたは刷毛塗りできる物で,有機溶剤タイプおよび水分散タイプなどがある。
- 熱間浸漬形:エチルセルローズ系とアセチルセルローズ系があり,150℃以上に加熱して塗布する。
乾燥剤
- シリカゲル(JIS Z0701)をはじめとし,包装内の水分を吸収し,金属製品の結露を抑制する。
脱酸素剤
- 包装内の酸素を化学的に吸収し,金属製品の酸化を防止する。
インヒビター(腐食抑制剤)
- 金属表面に物理的または化学的に吸着して疎水膜を形成し,さびの発生を防止する。
キレート化合物
- 鉄金属表面に錯塩を形成してさび発生を防止する。