コンディションモニタリング の診断方法を紹介します。振動診断,AE診断,潤滑油診断など診断方法別に試験機を紹介します。製品一覧ボタンから各試験の試験機一覧を表示させることができます。
ご利用上の注意
設備診断の重要性
よく設備は人間に例えられます。
人間が健康診断を受けるのと同じように,設備機械にも健康診断が必要なのです。
人間は体の不調を自身で感じる事ができますが,設備機械にはその能力がありません。現場で設備に異常があったときには現場でそれを察知し対処しなければいけないのです。
現在の製造業では,極限までコスト削減をして製造を行っています。
ひとたび設備稼働がストップすると,修復に莫大な費用と貴重な時間が必要になり企業の利益・信頼・存続に直結する問題に発展しかねません。
故障をしてから修理を行うのではなく,故障を予防しトラブルを未然に防ぐ事が重要です。
振動診断とは
- 設備機械のトラブル・故障を未然に防ぐ目的で,定期的に測定し,正常時の状態と比較して診断を行う方法
- 現在最もポピュラーな方法であり,ポータブルタイプからオンラインでの常時監視ができるものまで様々なタイプの振動計ある
- 設備異常の度合いを判断する「簡易診断」と,そこから具体的な部位を特定し対策を決定する「精密診断」がある
AE診断とは
- AEはAcoustic emissionの略で,材料に外力が作用して破壊する際や材料同士の摩擦や衝突が起きた際に生じる弾性波のことを指す
- AE診断は,上記のAE波動を検出・計測して設備機械の状態を評価し,異常を検知する方法
温度診断とは
- 主に赤外線サーモグラフィーを使用し,設備機械などの温度を計測し,異常を検知する方法
- 物体に接触することなく温度を計測できるのが特長。回転機械のトラブルの多くが焼き付きの温度上昇で判断できるため,サーモシールなども使われている
音響診断とは
- 設備機械からの異音を検知する方法
- これまでは熟練技能者の五感に頼っていた音響診断も,昨今は誰でも容易かつ正確に診断できる機器が市場に投入されている
超音波診断とは
- 超音波を利用し,物体中の傷を検出。その位置や大きさを測定する方法
- 非破壊検査の一つの方法として,今後適用が増えていくだろうと言われている方法である
電流診断とは
- モーターで駆動する設備機器の異常をモーターをパラメーターとして診断する方法
潤滑油診断とは
- 潤滑油の劣化を調べることにより機械設備を良好な状態に保っていく方法
- 汚染度に関しては,フィルタ法やパーティクルカウント法,潤滑油中の摩耗粉の分析については,SOAP法,フェログラフィ法などがある
軸電圧診断とは
- モータの軸-軸(負荷側と反負荷側)間,あるいは,軸-筐体間の電圧を測定する診断方法
- PWM(インバータ)制御では軸-筐体間で電圧が発生し,それが軸受油膜で絶縁破壊を起こし,軸受内外輪や転動体に微小クレータ(EDMピット)を形成する。また軸受電流による放電痕と熱で,グリースは焦げ,鉄粉濃度が増え潤滑寿命に少なからず影響を及ぼす
- 産業用モータは専らグリース潤滑で現実的に浄油や潤滑監視ができないため,グリース品質が良い状態に保つために,オシロスコープで「軸電圧波形(dV/dt)」を監視することで潤滑保護にも活用ができる
- 軸電圧は軸受インピーダンスに相関し,油膜形成がされづらい低速回転ではオームの法則で軸電圧が小さく,逆に油膜厚さが大きいと,ピーク値も大きい傾向がある
設備診断システム
サービス・コンサルティングとは
- 様々なノウハウやメンテナンス手法を用いて,保全費削減,トラブル削減に貢献するサービス
- 現場的視点だけでなく経営的視点でユーザーのニーズに応えていくサービス
解説 コンディションモニタリング
- 設備診断技術の動向と今後の展望
大阪市立大学 大学院 川合 忠雄 - ガスタービンにおける設備診断の現状と課題
IHI 小林 英夫 - 原子力発電プラントにおける設備診断の現状と課題
東芝 渡部 幸夫 - 鉄鋼プラントにおける設備診断の現状と課題
新日本製鐵 村山 恒実 - 化学プラントにおける回転機設備診断機器の有効な活用法
三井化学 三笘 哲郎 - 化学プラントにおける設備診断の現状と課題
昭和エンジニアリング 里永 憲昭,梶原 生一,山路 信之,三重大学 陳山 鵬 - 地震時のエレベーター自動診断・自動復旧システムの開発
三菱電機ビルテクノサービス 西山 秀樹 - 設備診断技術を設備管理にどう活かすか
新日本製鐵 藤井 彰 - 振動診断のメカニズムと特徴,今後の展望
三重大学 大学院 陳山 鵬 - AE診断法とその特徴,今後の展望
THK 吉岡 武雄 - 超音波診断のメカニズムと特徴,今後の展望
高知工科大学 竹内 彰敏 - 音響診断のメカニズムと特徴,今後の展望
広島大学 大学院 中川 紀壽 - 潤滑油測定のメカニズムと特徴,今後の展望
福井大学 大学院 岩井 善郎