軸電圧診断
モータの軸-軸(負荷側と反負荷側)間,あるいは,軸-筐体間の電圧を測定する診断方法。
PWM(インバータ)制御では軸-筐体間で電圧が発生し,それが軸受油膜で絶縁破壊を起こし,軸受内外輪や転動体に微小クレータ(EDMピット)を形成する。また軸受電流による放電痕と熱で,グリースは焦げ,鉄粉濃度が増え潤滑寿命に少なからず影響を及ぼす。
産業用モータは専らグリース潤滑で現実的に浄油や潤滑監視ができないため,グリース品質が良い状態に保つために,オシロスコープで「軸電圧波形(dV/dt)」を監視することで潤滑保護にも活用ができる。
軸電圧は軸受インピーダンスに相関し,油膜形成がされづらい低速回転ではオームの法則で軸電圧が小さく,逆に油膜厚さが大きいと,ピーク値も大きい傾向がある。
軸電圧診断機器を紹介します。
軸電圧診断機器の一覧表
会社別の軸電圧診断機器の一覧です。
解説 コンディションモニタリング
- 設備診断技術の動向と今後の展望
大阪市立大学 大学院 川合 忠雄 - ガスタービンにおける設備診断の現状と課題
IHI 小林 英夫 - 原子力発電プラントにおける設備診断の現状と課題
東芝 渡部 幸夫 - 鉄鋼プラントにおける設備診断の現状と課題
新日本製鐵 村山 恒実 - 化学プラントにおける回転機設備診断機器の有効な活用法
三井化学 三笘 哲郎 - 化学プラントにおける設備診断の現状と課題
昭和エンジニアリング 里永 憲昭,梶原 生一,山路 信之,三重大学 陳山 鵬 - 地震時のエレベーター自動診断・自動復旧システムの開発
三菱電機ビルテクノサービス 西山 秀樹 - 設備診断技術を設備管理にどう活かすか
新日本製鐵 藤井 彰 - 振動診断のメカニズムと特徴,今後の展望
三重大学 大学院 陳山 鵬 - AE診断法とその特徴,今後の展望
THK 吉岡 武雄 - 超音波診断のメカニズムと特徴,今後の展望
高知工科大学 竹内 彰敏 - 音響診断のメカニズムと特徴,今後の展望
広島大学 大学院 中川 紀壽 - 潤滑油測定のメカニズムと特徴,今後の展望
福井大学 大学院 岩井 善郎