接触型シール面と非接触型シール面
接触型シール面と非接触型シール面について教えてください。
解説します。
シール面には,シール面を構成する2面が直接接触する接触型シール面と,小さなすきまを介して対向する非接触型シール面の2種類のタイプがあります。
非接触型ではその小さなすきまを通って流体が流出し,漏れを完全に止めることは本質的にはできません。
接触型シール面では,本来すきまは存在しないはずであり,本来の機能が発揮されているならば漏れはないはずです。しかし接触型シール面においても漏れは発生します。
接触型シール面においてシール面の接触は固体面接触です。ごく薄い流体膜は存在しますが,幾何学的な検討においては流体膜の厚さは,すきまのオーダに較べると無視できます。2つの固体面の接触はその表面形状から,図1に示すような粗さの突起同士のぶつかりあいであり,ミクロに見るとすきまだらけといってよいでしょう。そこに荷重がかかることによって,接触している突起部分が塑性変形して,荷重に応じてすきまが狭くなっていきます。しかし完全にすきまをなくすことはできません。
(注)図中,黒く塗りつぶした突出部の先端は,剛体平面と真に接触している領域を示す。 1:接触固体
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図1 シール面のモデル
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これらのことから,流体漏れを可能にするすきまがシール面に存在しており,漏れの解析にはシール面における物体の変形の問題が大きく関わりを持っていることがわかります。