トライボロジーと資格制度 | ジュンツウネット21

ISO18436に準拠したメンテナンスに関する資格制度「機械状態監視診断技術者(トライボロジー)」の概要と今後の進め方について紹介する。

玉川大学 似内 昭夫  2009/3

はじめに

2008年9月10日~12日の3日間,東京ビックサイトにて「生産と設備管理のソリューション展2008」が開催された。

同展示会において,日本トライボロジー学会(JAST)では主催者のご厚意により「トライボロジー技術コーナー」を開設した。これはJASTが日本機械学会(JSME)と協同して進めているISO18436に準拠したメンテナンスに関する新しい資格制度「機械状態監視診断技術者(トライボロジー)」の広報活動であった。

本稿では,同コーナーの活動報告を兼ねて,この度スタートすることになった新しい資格制度の概要と今後の進め方について紹介する。

1. メンテナンスとトライボロジー

展示会の話に入る前に,メンテナンスにおけるトライボロジーの関わりについて紹介したい。読者諸兄には“トライボロジー”という言葉に親しみのない方も少なくないのではないだろうか。

トライボロジーという言葉は,1966年に英国で出されたジョストレポートにおいて誕生した言葉で,今年で満42歳の若い言葉である。ジョストレポートは省資源,省エネルギーを念頭に摩擦や摩耗に伴う損失を経済効果で見た場合,どの程度の経済効果が期待できるか,ということを主題とするレポートである。検討された項目は表1に示す7項目で,これらの活動により得られる経済効果を算出した場合,当時の英国で約5億ポンドの経済効果が期待できるとしている。これを受けて,我が国でも同じ推計を行ったところ約2兆円の経済効果があるという結論を得ている。

表1 ジョストレポートの7項目
1.保全費,部品費の節減
2.耐用年数の延長による設備投資の節減
3.破損による波及効果の節減
4.労働力の節減
5.稼働率,機械効率の向上による設備投資の節減
6.摩擦の減少によるエネルギー消費の削減
7.潤滑油経費の節減

これらのことから,摩擦,摩耗に伴う経済効果の大きさに着目した運動が展開され,そのキャッチフレーズが“Tribology”(摩擦学)であった。要するにトライボロジーというのは摩擦摩耗といかに上手に付き合うかということを追求するもので,潤滑を一つのツールとして,しゅう動部分における摩擦・摩耗の最適解を得ようとするものである。

トライボロジーの最も基本的なキーワードは,摩擦・摩耗・潤滑の3つである。参考のためにトライボロジーの正確な定義を次に紹介しておく。

「トライボロジーとは,相対運動をする二物体間の相互作用を及ぼし合う表面およびそれに関連した実地応用の科学と技術である」。

それでは,メンテナンスとトライボロジーはどのような関わりがあるのであろうか。表1の7項目をよくご覧いただきたい。これらの項目はもともとメンテナンスに関わる項目で,このようなことを摩擦・摩耗・潤滑の面から推進していこうというのがトライボロジーである。したがって,トライボロジーは誕生の源からメンテナンスそのものであったのである。

メンテナンスの領域でトライボロジーが果たしている役割の最も大きなものは,潤滑管理といわれる領域である。生産設備において運動部分を持つ動的設備といわれるものはすべて潤滑を必要としている。生産設備のメンテナンスを考えるときには,潤滑管理を欠かすことはできない。生産設備のライフサイクルコスト(LCC)を最小にするためには,しゅう動部における摩擦・摩耗の最適解を明らかにすることが最も重要なことである。

生産の場におけるトライボロジー起源のトラブルがどの程度であるかを表すデータが数々ある。一例を図1に示す。

件数比/製鉄設備に発生するトラブルにおける潤滑トラブルの割合
(a)件数比

休止時間比/製鉄設備に発生するトラブルにおける潤滑トラブルの割合
(b)休止時間比

損失金額比/製鉄設備に発生するトラブルにおける潤滑トラブルの割合
(c)損失金額比

図1 製鉄設備に発生するトラブルにおける潤滑トラブルの割合*1

この例は,製鉄設備における設備トラブルに占める潤滑トラブルの割合を示したもので,件数比,休止時間比でほぼ1/4,損失金額比では1/3を潤滑トラブルが占めている。データは古いが,この割合は最近でもそう変わっていないものと考えている。

このように,設備のトラブルに占める潤滑関係のトラブルが多いということは,それだけトライボロジー技術を活かすことによる経済効果が大きいことを示している。そのことは図2からも明らかであろう。図は機械設備におけるトラブル発生のメカニズムを示している。トラブル発生の最も大きな影響因子は潤滑不良である。機械設備にはいろいろなストレスが働くが,それらのストレスの多くは,しゅう動面の潤滑不良をもたらす。その結果摩擦,摩耗の増大を招き色々な形で機械設備のトラブルを引き起こす。したがって,機械設備を有効に長持ちさせるためには,トライボロジー技術が不可欠なのである。

機械設備トラブルの発生のプロセス

図2 機械設備トラブルの発生のプロセス*2

次に,メンテナンスにおけるトライボロジーの具体的な活動はどのように行われているのであろうか。詳細は省くが概要は図3のようである。図3は文献*3を元に筆者が改編したものである。メンテナンスにおいて潤滑技術は,製品の企画・設計の段階から廃棄に至るまでのあらゆる段階で活用され,設備のLCC最小化に寄与している。特に潤滑点検の項に示した使用油の点検・分析,汚染管理などの潤滑油管理が潤滑管理の中心技術である。このような潤滑管理を中心としたトライボロジーがメンテナンスで力を発揮するのは,図4に示した設備のバスタブ曲線で,最も故障の少ない偶発故障期間におけるメンテナンスを潤滑管理でしっかり行うことである。そうすることにより,設備に故障を起こさせる要因を元から断つことが可能となり,また生じたトラブルの早期発見が可能となる。多くのデータによると,動的機械のトラブルの多くが,潤滑不良と潤滑油の酸化劣化によることが明らかである。潤滑油をいかに清浄に保つか,またいかに適切に管理するかが,メンテナンスの要点である。

メンテナンスに関わる潤滑技術

図3 メンテナンスに関わる潤滑技術*3

設備の故障率に関するバスタブ曲線

図4 設備の故障率に関するバスタブ曲線

2. メンテナンスに基づく機械診断技術者資格制度の概要

2.1 資格制度の意味するもの

今回,資格制度を立ち上げることになったのは,以下のようなことからである。

JASTに「メンテナンストライボロジー研究会」というのがある。この研究会は,トライボロジーを有効に活用することによってメンテナンスの技術向上を目指すことを目的とし,毎回問題を持ち寄ってサロン風に議論し合う研究会である。この研究会でメンテナンスについての議論を展開しているうちに,メンテナンスがいかに社会的に相応に評価されていないかという話になった。社会的にはどうしても設計だとか製造が優先し,設備だとか保全とか言われる領域は十分な評価を得られていないのが現状であろう。そう思って調べてみたら,同じようなことを他の研究会や団体でもいろいろ議論しあって,同じような報告書がかなりあることがわかった。

それでは,メンテナンスの社会的なステータスを上げるために何をしたらよいのであろうか。2つの結論を得た。1つは経営者層にメンテナンスの経済効果をきちんと認識してもらわなければ,現状は変わらないだろうということ。そしてもう1つが,メンテナンス技術者のステータスを上げる資格制度を作るということである。

資格制度を作ることによって,技術者自身の技術的レベルが向上し,しかもそれをISOという国際的に通じる規格で認証することで,資格所有者の技術を保証するのである。資格制度の最も大きな意味は,技術レベルの保障である。日本はまだ資格社会にはなっていないが,海外ではどんどん資格社会になっており,資格がないことで経済活動が制約されつつある。

日本では,これまでは企業教育が盛んで,企業に所属していれば,社員の技術レベルもある程度均一化し,保障されているといってよかった。また,これまでのように終身雇用制が行き渡っている日本社会では,それぞれの企業において通じる技術であれば,それでよかったのである。企業にもまた余裕があったので,社員を十分に教育することに力を注いでいたといってよい。

しかし,最近の企業を取り巻く状況を見るとき,多くの企業では熟練技術者の退職に伴い,せっかく確立してきた技術が断絶する状況が顕著に表れている。企業における技術の伝承が従来のようにいかなくなったのである。また,企業が時間とコストの点で教育に割く余裕がなくなっていることも見逃せない現状である。

さらに,グローバル化した現代社会では,海外の仕事が,企業の収益の多くを占めるようになっており,海外の仕事を積極的に熟さなければならなくなっている。当然海外の企業との競争であるが,海外の企業は資格制度を取り込んだ技術スタッフを擁している場合が多いはずである。そのような企業との競争に勝つためには,日本の企業も資格を有した技術スタッフを揃える必要があるのである。

技術者個人にしても,前述したことはそのまま適用できる。技術者個人として,ISOに保障された資格を持つことによって,技術的に高いレベルの展開が可能となり,企業における技術的存在価値を確立できるはずである。特に,海外向けや海外における仕事においても,海外の顧客や相手の技術者に対しても,資格をバックに説得力のある仕事ができる。

これらが今回資格制度を何としても立ち上げ,メンテナンス技術者のステータスを上げたいと思った狙いである。資格制度の存在意義はこんなところにあるのではないだろうか。

2.2 資格制度構築のいきさつ

これまで見てきたように,メンテナンスにおいて潤滑管理を中心としたトライボロジーが重要であることはご理解いただいたと思う。ただ,そのことを正しく認識している技術者は非常に少ないのが現状である。JASTではそのような現状を変える方策を色々と検討してきた結果前述のように,メンテナンスの資格制度が現状を変えることに大いに役立つのではないかという結論に達した。

折しも,ISO/TC108/SC5(機械状態監視と診断)で「機械の作動状態に関係する物理的パラメータを用いて機械の状態監視と診断技術に関する手法と手順および装置の必要事項の規格化」が進められていた。そのWG4で,「トライボロジーに基づく診断」という規格が検討されている時期であった。JASTとしても,メンテナンスに関わる資格制度として日本独自の資格制度を作るより,ISO準拠の資格制度が国際化の時代に適しているであろうと考えて,ISO規格の完成を待って日本における資格制度をスタートさせることにした。また,ISO/TC108/SC5に関わる資格制度としてWG2の振動の部分がすでにJSMEでスタートしており,JASTとしてもJSMEと共同してトライボロジーに基づく診断技術者資格制度をスタートさせることとした。

2.3 資格認証機関の組織

本資格制度の運営は,前述のようにJSMEである。ISO/TC5の機械状態監視診断技術者(振動)の資格認証を運営しているのがJSMEでトライボロジーに基づく同資格認証はTC5/WG4として運営される。

運営組織を図5に示す。JSMEとJASTはそれぞれ振動技術委員会とトライボロジー技術委員会を組織し,その下に資格認証小委員会と教育機関認定小委員会をおいてそれぞれが並立する形でそれぞれの資格認証を行う。

機械状態監視診断技術者認証組織

図5 機械状態監視診断技術者認証組織

2.4 資格制度の概要

i )資格の種類と技術レベル
 今回の資格制度はISO18436という規格で定められたものである。このISO18436という規格は色々な内容を含んでおり,トライボロジーに関する規格も2つある。今回検討中の資格制度に関わる規格は,次の4つである。

(1)ISO18436-1 認証機関への要求事項
(2)ISO18436-3 訓練教育機関への要求事項
(3)ISO18436-4 状態監視技術者(トライボロジー)認証(現場の技術者)
(4)ISO18436-4 状態監視技術者(トライボロジー)認証(研究室の技術者)

このように,今回検討中の資格は現場における技術者を対象としたものと,研究室分析技術者を対象としたものの2通りある。このうち,現場技術者対象の規格が2008年10月に発効されたので,とりあえず現場技術者の資格制度からスタートする。研究室技術者対象の規格は,現在WGで検討中であるが,結審までには今しばらくかかる見込みである。以下に述べることは現場技術者対象の規格に基づいている。

本規格では,資格はカテゴリー I ~ III(Cat. I~III)まで3段階ある。

≪Cat. I≫
 Cat. I と認定される技術者は,確立され認知された手順にしたがって,現場で潤滑油分析を行うことができ,以下のことが行える資格を有する。

 a)適切に潤滑剤の給油(脂),補充および/またはすでに確立された所定のルートにしたがった潤滑剤の点検管理することができる
 b)潤滑給油器具や装置を適切に保守することができる
 c)カテゴリー II あるいはそれ以上の技術者により適切で,安全でまた非侵入的であると認められたサンプリング機材の設置ができる(あらゆる侵入的なサンプリング機材の設置は,顧客により承認された適切な人材によって行われなければならない)
 d)分析装置が校正されていることを確認し,処置が必要な場合に適切な人に報告することができる
 e)あらかじめ定められた方法で,可搬式潤滑剤分析機器を操作・保守することができる
 f)可搬式の潤滑剤分析機器で分析した生データをダウンロードおよびアップロードすることができる
 g)確立された手順にしたがって,機械系や設備から潤滑剤サンプルを採取することができる
 h)確立された手順にしたがって,サンプルの送付かつ/または試験するためのサンプルを用意(調製)することができる

≪Cat. II≫
 Cat. II として認定された技術者は,確立され認知された手順にしたがって,基本的な潤滑油試験および分析を行うことができる。Cat. II に分類される技術者は,以下のことができなければならない。

 a)基本的な現場試験のための装置をセットアップができる
 b)現場試験における機器の校正ができる
 c)サンプルの採取,準備と配送の手順を作成することができる
 d)サンプルの部位,方法と器具の選定,およびサンプリング器具の据え付けを監視することができる
 e)選ばれた現場試験を実施し,さらに摩耗粉分析装置を使える
 f)ラボ分析室との連携ができる
 g)適用可能な規格基準にしたがって,試験結果(受け入れ試験を含む)を分類・解釈し,評価することができる
 h)潤滑剤,機械装置および機械部品のトラブルシュートのために基本的な潤滑剤分析法を活用することができる
 i)分析スケジュールと分析結果,診断結果のデータベースを保守できる
 j)基本的な潤滑剤と機械の状態について,しかるべき人のために報告を準備し,改善対策(強制的ではない保守案)をリコメンドし,修理あるいは交換の有効性を報告することができる
 k)Cat. I に認定された者の指導と監督を行うことができる

≪Cat. III≫
 Cat. III として認定された技術者は,あらゆる種類の現場潤滑油試験,分析の実施および指揮を行うことができる。Cat. III に分類される技術者は,以下のことができなければならない。

 a)試験方法・規格・規約・仕様・手順の解釈と評価ができること
 b)適切な機械の潤滑剤微運関技術の選定ができること
 c)可搬式・固定式両方に対する適切な機器のハードとソフトの指定
 d)校正値の策定と管理ができること
 e)定期的あるいは連続監視を行う機械,試験の頻度と形式,基本計画,品質保証試験の決定を含む潤滑剤の状態監視方案の策定ができる
 f)機械の管理目標値,判定値,限界値を指定する計画の策定ができる
 g)高度なオンサイト試験と摩耗粉分析を実行できる
 h)適用できる仕様や標準にしたがって,高度な試験の結果や摩耗粉分析(受け入れ試験を含む)結果を分類・解釈・評価ができる
 i)潤滑剤分析のソフトおよびデータベース管理の監督と実行ができる
 j)FMCA解析とFMECA解析ができる

要するに,Cat. II,III の技術者は,それぞれそれ以下の資格技術者に対して指導と監督を行える技術的な能力を有することになっている。

ii)受験資格と認証までの流れ
 受験資格としては「機械の潤滑と潤滑剤分析に適用される原理と手順を理解することを保証する教育,訓練,経験の組み合わせ全てを有しなければならない。また一般的な機械の知識が必要である。」とあり,潤滑技術に対する実務経験があること,および指定された教育機関において一定時間の教育を受講することを受験資格としている。

当然であるが,Cat. II,III の受験者は,それぞれ下位の資格を有していることが前提である。

受験者の経験年数は,表2に示すように各Cat.で規定されている。Cat. I は12ヵ月である。受験にあたって経験年数(月数)の証明書を添付することが求められる。

 表2 累積的な最小経験期間

累積的な最小経験期間(月数)
Category I
Category II
Category III
12
24
36

注:上記経験期間は,機械の状態監視に基づいた潤滑剤分析の1ヵ月,最短16時間以上の経験をベースとしている

次に求められる訓練時間は表3に示すようにCat. I~III までで累積80時間である。受験者は認定された教育機関においてそれぞれ所定の訓練時間の教育を受講し,訓練修了証明書の交付を受けて,認証試験の志願が可能となる。

表3 累積的な最小訓練時間
累積的な最小訓練時間(hr)
Category I
Category II
Category III
24
48(24)
80(32)

教育訓練から志願,試験,認証章までの流れを図6に示す。これまで述べてきた受験資格を満足した受験者が下記のように認証試験を受験するが,試験問題と試験時間,合格ラインも表4のように規格に明記されている。

訓練から認証までの流れ

図6 訓練から認証までの流れ

表4 認証試験問題数,試験時間,合格点
Categories
問題数
試験時間(hr)
合格正答率(%)
Category I
70
2
70
Category II
100
3
70
Category III
100
3
70

3. 生産と設備管理のソリューション展2008

トライボロジー技術コーナー

「生産と設備管理のソリューション展2008」では,JASTでも一般企業にも数社参加してもらい,「トライボロジー技術コーナー」を開設した。

JASTとしては,新しく立ち上げる機械状態監視診断技術者(トライボロジー)資格制度の広報活動の一環としての参加である。さらに,というよりもっと抜本的な問題であるが,冒頭にも書いたように,トライボロジーという言葉そのものの知名度は徐々に上がっているとは言え,まだまだ低いものである。今回の参加も“トライボロジー”という言葉の設備管理分野の方々への知名度向上が最大の目的であったといってよい。

トライボロジー技術コーナーの様子

写真1 トライボロジー技術コーナーの様子

また,2009年9月,京都で開催される「第4回世界トライボロジー会議(World Tribology Congress 2009,WTC IV)」の広報活動をも兼ねていた。写真1は当日の模様である。来場者は全体では約1万人くらいであったようであるが,我々のブースへの立ち寄り者は500人程度であった。数はそれほど多いとは言えないが,トライボロジーという参観者には聞きなれない領域の割には関心を持ってもらえたのではないかと自負している。学会としても,今後は一般の方々への広報活動を真剣に考えなければならない時代である。

4. 資格認証の今後のスケジュール

2008年10月にISO18436-4が発効され,いよいよ資格制度がスタートする。第1回試験までのスケジュールを表5に示す。年号はいずれも2009年である。

訓練教育機関の審査が4月末に終了するので,10月の第1回資格認証試験までの期間で,各教育機関が教育訓練の受講生の公募を行い,教育研修を実施する。それらのスケジュールは各訓練教育機関に任される。

表5 第1回試験までのスケジュール
1月~2月末訓練教育機関の公募期間
2月3日試験機関公募の説明会
3月~4月訓練教育機関審査期間
5月1日~7月末第1回資格認証試験受験者公募期間
10月17日第1回機械状態監視技術者(トライボロジー)認証試験

おわりに

トライボロジーに基づくメンテナンスの資格制度の発足にあたり,メンテナンスの現状を調査した結果,メンテナンスが正当な評価を受けていないことに気がついた。メンテナンスを担当するということは,生産設備を始めとする人工物という資源を可能な限り有効に活用するということが,最大のミッションである。そのことは現在の地球環境が置かれた省エネルギー・省資源という環境保全の最先端の技術を担っているのであるが,その重大さに社会が気付いていないのであろう。メンテナンス技術者に相応の位置づけを与えるためにも,ぜひ資格制度を活用して社会の認識が改まるまで,資格制度が確立されるように期待している。

 

<引用・参考文献>
*1 日本潤滑学会編:改定潤滑ハンドブック,養賢堂(1987)1133
*2 倉橋基文・澤雅明治:トライボロジスト,39,7(1994)596
*3 潤滑技術分科会編「メンテナンス技術者のための潤滑技術」JIPM(2001)

 

●機械状態監視診断技術者 トライボロジースペシャリスト資格認証制度の概要はこちら
≫「トライボロジースペシャリストの誕生―ISOに準拠した機械状態監視診断技術者(トライボロジー)の資格制度の発足間近―」

 
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