接面漏れは,圧力差に起因する流体力学的な漏れ現象,二位置間の圧力差により,発生する起動力による漏れです。浸透漏れは,密封流体がシール材料中を毛細管現象等により貫通して流出するものです。
接面漏れと浸透漏れはどのように違うのか
接面漏れと浸透漏れはどのように違うのか教えてください。
解説します。
漏れを生じるのは圧力差に起因する流体力学的な漏れ現象,二位置間の圧力差により,発生する起動力による漏れが主で,接触面で起こるので,これを接面漏れと呼びます。
しかし,漏れは圧力に差がある場合だけ発生するわけではありません。例えば,フランジ部における漏れは,接面漏れのほかに,密封流体がガスケット等の材料の中を通り抜けてしまうことによる漏れが発生します。これを浸透漏れといいます。シールの材質が繊維質や皮等の場合,シール材の構造は,繊維が網目構造になっているなど繊維間に毛細管が形成されており,密封流体が毛細管現象によってシール材料の中を浸透して行くことが可能な状態になっています。浸透漏れは,このように密封流体がシール材料中を毛細管現象等により貫通して流出するものです。浸透漏れは,繊維質のシール材料に合成樹脂等を充填することによって漏れを防止することができます。
一方,接面漏れは,ガスケットの合わせ面や蓋等の接触面から漏れる現象で,合わせ面等のシール面の粗さやシール面材料の組み合わせ,ガスケットとシール面材料の組み合わせ等によって特性が異なります。シール面材料のなじみ性が悪い場合には,相当高い締め付け圧力で締め付けないと漏れを発生します。
接面漏れを防止するためには一定の締め付け圧力が必要ですが,内圧に対して必要な有効締め付け圧力を示すものとしてガスケット定数mが規定されています(式1)。
m=σg/Po
σg:ガスケットの有効締め付け面圧 |
式1
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