ガスケットの締付圧力はどのように設定するのか
ガスケットの締付圧力はどのように設定するのか教えてください。
解説します。
ガスケットの締付圧力は,選択したガスケットの性能を十分に発揮させるために必要となるボルト締付荷重をガスケット接触面積当たりに換算した圧縮応力です。したがって,ボルト強度面での適合性を十分検討する必要があります。
ここでボルト荷重計算式は,通常JIS(JIS B 8265など)に規定されるフランジ継手の計算式が用いられます。その基本的な考え方は,フランジ継手の状態を使用状態でのボルト荷重(Wm1)とガスケット締付時のボルト荷重(Wm2)の独立した二つの計算式で表し,この算出される数値の内の大きい方の値をボルト荷重として決定するものです。その具体的な計算式は省略しますが,計算には下記の二つのガスケット設計値が用いられています。
ガスケット係数(m値)
使用条件におけるガスケットの残留圧縮応力σgと流体圧力Pの比,σg/Pです。
最小設計締付圧力(y値)
ガスケットがフランジ座面に馴染むために必要な締付圧力です。
各種ガスケットのm値,y値についてはJISに規定されており,これらの値は液体シールには有効です。ただし,気体シールや浸透性の強い流体に対しては締付力が十分でない場合があり,この場合にはJISより高い締付力を負荷する必要があります。また,最大締付圧力は,機器側強度(フランジ剛性やボルト許容応力)とガスケット側強度(ガスケット許容締付圧力)の両面から検討を加えた上で決定します。