ガスケット材料の横流れ現象について
ガスケット材料の横流れ現象について教えてください。
解説します。
ガスケット材料の横流れ現象とは,締付圧力(応力)を一定に保った状態で厚さ(歪み)が徐々に変化する現象(クリープ現象)であり,ガスケットの締付圧力が低下に繋がる要因のひとつです。クリープ現象は非金属ガスケットで顕著にみられ,締付圧力によりガスケット構成材料がガスケット内部の微小な隙間に流動することにより生じるものです。常温でも構成材料の流動は生じますが,熱間では常温時より流動性が高くなることに加え,場合によってはガスケット構成材料の熱減量によりガスケット内部の隙間が増えるため,クリープ現象が助長されることがあります。
一般的にガスケットの締付けはボルト締結によることが多いですが,ボルト締結では各接触部のへたり現象により締付圧力(応力)は一定とならないため,ガスケットのクリープ現象は応力緩和と切り離すことができず,ガスケットの締付圧力低下の要因は機器側(フランジやボルト)とガスケット側の両面から検討を加えることが重要です。ガスケットを使用する際にはこれらを考慮して定期的な増締めの実施やガスケットの許容締付圧力を超えない範囲で初期締付圧力を高めに設定することが望ましいでしょう。