Oリングの熱によるトラブル | ジュンツウネット21

Oリングの熱によるトラブル について解説します。高温環境下(しゅう動用途での発熱も含む)での使用において,耐熱性の乏しいエラストマー材料を選定した場合,材料劣化が促進され,硬化や引張強度,引裂強度,伸びの物性低下等が見られます。

Oリングの熱によるトラブル

Oリングの熱によるトラブルについて教えてください。
解説します。

エラストマー材料は高分子材料であることから,熱の影響を受けやすいと考えられます。熱によって,エラストマー材料は劣化し,トラブルに発展するケースは多くあります。高温環境下(しゅう動用途での発熱も含む)での使用において,耐熱性の乏しいエラストマー材料を選定した場合,材料劣化が促進され,硬化や引張強度,引裂強度,伸びの物性低下等が見られます。このような現象が発生した場合,具体的には,引張強度や引裂強度の低下により,使用圧力に耐え切れず切断が起こったり,硬化によってエラストマー弾性が失われたりすることによって漏れが発生します。

このため,高温環境下であれば,耐熱温度に優れたFKM(フッ素ゴム)やVMQ(シリコーンゴム)などのエラストマー材料を使用することが望ましいです(表1)。なお,文献やカタログ等に各種エラストマー材料の使用可能な温度範囲を示しているのがよく見受けられますが,用途や使用条件が明確でなく幅広い温度範囲を示している場合があるので注意が必要です。

表1 各種エラストマー材料の最高使用温度*1
エラストマー材料の種類
最高使用温度
U(ウレタンゴム)
80℃
NBR(ニトリルゴム)
120℃
HNBR(水素化ニトリルゴム)
150℃
EPDM(エチレンプロピレンゴム)
150℃
VMQ(シリコーンゴム)
280℃
FKM(フッ素ゴム)
300℃

また,シール対象が熱水(スチーム)の場合,エラストマー材料の選定には注意が必要です。使用温度が高温であるため,耐熱性に優れたFKMやVMQを選定するケースが見受けられますが,これは選定として適切であるとは言い難いです。なぜなら,耐熱水性(耐スチーム性)と耐熱性の評価は全く異なり,FKMやVMQ を熱水(スチーム)用に使用した場合,両材料とも加水分解によって劣化するためです。実際に熱水(スチーム)用としてVMQを選定したためにトラブルに至った事例もあることから,シール対象が熱水(スチーム)の場合は,使用実績のあるEPDMや耐熱水(スチーム)性能を持つ特殊FKMの使用が望ましいと言えるでしょう。*2

 

*1 日本バルカー工業,ハンドブック技術編
*2 下村泰弘,水関連機器用エラストマー製シール材と新規開発エラストマー,工業材料,Vol152,12,2004,P42-P46

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