適正な仕上げ粗さなのに油漏れするのはなぜか(オイルシール)
軸を旋盤で適合軸径に加工し,仕上げは旋盤加工目をエメリーペーパーにて除去した後,推奨されている仕上げ粗さ(2.5~0.8)μmRzにエメリーペーパーで軸方向に動かし仕上げました。軸を綺麗に仕上げたにもかかわらず,運転後短時間でオイルシールのリップより油漏れが発生しましたがなぜですか。
解説します。
軸の表面粗さは問題ないのですが,エメリーペーパーを軸方向に動かし仕上げたため,漏れ方向のリード目がつき油漏れとなっています。
この対策としては,エメリーペーパーを動かさず平行に仕上げるか,送りをかけないプランジ研削を施してください。また,オイルシールに不適当なリード目が生じる軸仕上げ方法として,旋盤仕上げのみ,綾目のような加工痕が入るスーパー仕上げ,旋盤加工目を潰すローラー仕上げがあり,軸加工時において注意が必要です。