運転開始後,すぐに油漏れしたのはなぜか(オイルシール)
軸の面取りを旋盤にてC1.0に加工した軸へ,オイルシールのリップを挿入しようとしたところ,ちょっと入りずらかったのですが力を加え挿入しました。運転を開始したところ,すぐにリップから油漏れが発生しました。なぜ,短時間で油が漏れたのですか。
解説します。
軸にリップを挿入する際,入りづらいにもかかわらず無理やり押し込んだため,リップが反転しシール機能が失われ油漏れとなっています。リップが反転した原因は,リップの挿入案内である面取りが小さいことと,軸のC面取りがリップ前面角度と近い角度から,両者の面同士が密着し滑りづらくなりリップ反転が生じています。この対策は,リップが面取りの上を滑り易くすることが重要で,軸の面取り角度を30°とし表1のように大きくしてください。なお,面取り状態において,端部にかえり,鋭い角,粗い加工目等があると,挿入時リップ先端に傷を付け油漏れの原因となるため,加工後のチェックをお願いします。
表1 端面の面取り
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