ウレア系グリースは増ちょう剤にウレア化合物を用いていることからそのように呼ばれています。ウレア化合物中にウレア基が何個含まれるかによって“ジ” “トリ” “テトラ” “ポリ”が接頭語として使われています。それぞれのウレアグリースの特徴を解説します。
ウレア系グリース(種類とそれぞれの特徴)
ウレア系グリースが紹介されているカタログ等にはよく何々ウレアグリースと記述されていますが,それぞれの内容について教えて下さい。
解説します。
ウレア系グリースは増ちょう剤にウレア化合物を用いていることからそのように呼ばれています。ウレア化合物中にウレア基が何個含まれるかによって“ジ” “トリ” “テトラ” “ポリ”が接頭語として使われています。
図1では点線で囲まれた部分がウレア基であり,その個数によって呼び方が変わります。
図1 |
以前は総称してポリウレアと言っていましたが,現在ではポリウレアと呼ばずにジウレア等,正式名称で呼ぶことが多いようです。ただし,外国の雑誌等では未だにポリウレアと記述されている記事を多く見かけます。なお,実際のポリウレアでは重合度にもよりますが,基油との相溶性が悪くグリース化しない場合が多いようです。表1にそれぞれのウレアグリースの特徴を記述しましたが,適切な反応方法を用いればジウレア以外のものでも優れた性状のグリースが得られるようです。
表1
|
図2では末端に付く物質の違いで呼び方が変わる例です。
図2 |
表2にそれぞれのウレアグリースの一般的な特徴を示しました。実際には長鎖アルキル脂肪族,短鎖アルキル脂肪族,芳香族,および脂環族など2種または3種あるいはそれ以上を組み合わせて,それぞれの欠点を補ったり長所をより高める手法が用いられています。
表2
|
図3にウレア基とウレタン基を組み合わせたウレア・ウレタン化合物を示しました。このように組み合わせることができるのも,ウレアの特徴といえるかも知れません。
図3 |