潤滑油保管の問題点について | ジュンツウネット21

潤滑油の保管について解説します。潤滑油は,屋内で一年以内の保管であればとくに大きな問題はありませんが,それ以上の長期間,あるいは屋外で風雨や直射日光にさらされる場合には潤滑油の品質が低下します。保管上もっとも注意すべきことは水分の混入です。

潤滑油保管の問題点について

潤滑油を保管する場合,とくにどのようなことに気をつけなければならないでしょうか。問題点をいくつかあげて下さい。
解説します。

潤滑油は,メーカーの完備した品質管理体制のもとで製造し詰め入れされ,需要家に出荷されます。出荷製品は,大口需要家の場合にはタンクに充填しますが,一般にはドラム缶やペール缶入りの形で納入し,使用されるまでの間,需要家で保管することになります。この場合,屋内で一年以内の保管であればとくに大きな問題はありませんが,それ以上の長期間,あるいは屋外で風雨や直射日光にさらされる場合には潤滑油の品質が低下します。

保管上もっとも注意すべきことは水分の混入です。ドラム缶は,一見完全に密閉されているように考えられますが,昼間は太陽に暖められて中の潤滑油は膨張し,反対に,夜間は気温の低下にともなって収縮します。このような膨張,収縮を毎日繰り返していますと,天板上にたまった雨水や湿った空気をドラム缶の中に吸い込み,潤滑油中には,次第に水分がたまってきます。潤滑油中には,通常,50ppm程度の水分が含まれていますが,このようになると,100ppm,200ppmを超え,油は濁り,商品価値が低下すると同時に添加剤の加水分解や分離など劣化の原因となります。とくに水分量を低いレベルに厳しく押えている電気絶縁油や冷凍機油では,水分の混入によってその製品はまったく使い物にならなくなってしまいます。

水分の混入を避けるためには,ドラム缶は横積みとし,図1の左に示すとおり,口金が油面の下になるように水平にしておきます。このようにしますと,ドラム缶の呼吸作用による水分の混入が避けられるようになります。

ドラム缶の置き方
図1 ドラム缶の置き方(栓を油面より下にする,左が正しい置き方)

図2には倉庫に保管する場合の例を示しました。

保管庫は消防法に適合し,湿気が少なく,昼夜の湿度差が小さいことが必要です。ボイラー,加熱炉,蒸気パイプなど高温の熱源の近くも避けるべきでしょう。

ドラム缶の貯蔵保管の例
図2 ドラム缶の貯蔵保管の例

やむをえず屋外でドラム缶を保管する場合には,カバーをかけます。カバーがなくしかも立てて保管する場合には,必ずドラム缶を傾けて栓の近くに水が溜まらないようにしてください。

開封したドラム缶またはペール缶から中味を取り出す場合には,口金の部分をよく拭い,ゴミなどが入らないようにし,下にこぼれた油はきれいに拭き取っておくことも大切です。なお,最近のように,高度に精製されたベース油を使用している場合,添加剤の溶解度は低下気味になります。たとえば,粘度指数向上剤などを多く含んだ製品を低温で長時間放置した場合,添加剤が分離する恐れがありますので気をつけなければなりません。水溶性難燃性作動油やソルブル油などについても長期保存時に成分分離を起こすこともあります。このようなことをチェックするため,長期在庫品については,定期的にサンプリングし品質を確かめる必要があります。また,基本的には潤滑油の在庫量は最小限度に止め,古いものから使って行く,いわゆる先入れ先出し方式を守ることも大切でしょう。

<参考文献>
*1 W.J.HUTH Storing Lubicants Lub.Eng.30 No.3 1974 119
*2 作動油ハンドブック

ブルカージャパン ナノ表面計測事業部

アーステック



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