機械設備の予知保全とは | ジュンツウネット21

機械設備の予知保全とは,機械設備がこわれたら修理する,あるいはこわれる前に部品を定期的に交換するのではなく,機械設備の定常的な運転状態を計測して,その結果から故障や異常の発生する前ぶれを察知して修理・復元を行うものです。状態監視保全ともいいます。

機械設備の予知保全とは

機械設備の保全を行う方法の中で,予知保全という言葉が見聞きされるようです。また,設備診断技術,状態監視保全などが言われるようになったそうです。これらについて概要を教えてください。
解説します。

ひとくちに機械設備と言っても,実に様々なものがあります。数多くの部品から成り立っているものや,いろいろな潤滑油剤を用いているものがあります。いずれも使用時間が長くなるにしたがい,機能が低下してきます。

製造設備,プラントなどはその一部が故障した場合に,大きな経済的損失や危険を伴うことがあります。製造設備によって作り出された航空機や鉄道車両のような機械では,故障が直接人命とかかわることもあります。

私たちが機械設備を使用し始めて以来,その修理や保全は常に極めて大切な仕事内容であったわけです。とくに,今日のような製造設備では高い生産性を持っていますし,輸送規模は大型化,高速化されています。機械設備に発生する故障や異常を事前に察知したり,発見することがコスト低減,人件費の節約,時間や資源の節約につながり,安全性の確保に役立つのです。

事後保全

図1 事後保全

保全を行う方法の中でもっとも初歩的なものは「機械設備がこわれたら修理する事後保全」でしょう。しかし,この方法ではとても損失や危険が大きくて仕方がありません。そこで次に行われるようになったのが「こわれる前に部品を定期的に交換する予防保全」なのです。ところがこの方法には二つの欠点があることが指摘されるようになってきました。それは―

(1)故障は部品の交換を頻繁に行うことにより減少するが,交換頻度や交換部分を定める根拠が科学的でなく,単に経験や勘に頼っていて,無駄が多くなる。

(2)定期的な予防保全では,どうしても作業者のミスや修理・復元時の忘れ事故などが完全には避けられずトラブルとなる。いわゆる「いぢりこわし」が発生する。

予防保全

図2 予防保全

「事後保全」や「予防保全」を見直して考えられるようになったのが「予知保全」あるいは「状態監視保全」などといわれる方法です。機械設備がこわれたら直すとか,常に部品の定期交換をするというのではありません。機械設備の定常的な運転状態を計測して,その結果から故障や異常の発生する前ぶれを察知して修理・復元を行うのです。定常的な運転状態の計測。これが今までの保全と違う点です。

「予知保全」とか「状態監視保全」とは機械設備の定常的な運転状態の計測結果による保全であるとするならば,どんな項目についての計測をして,故障や異常にどうやって結びつけるのでしょう。

この新しい保全方式は機械設備を何ら分解することなく,設備の故障や異常の徴候(兆)を知ろうとするもので,これを設備診断技術と呼んでいるのです。まるでお医者さんの診断のようです。

設備診断技術では機械設備が時間の経過につれて発生する様々な信号を計測します。それらは一般に次のような分類でキャッチします。

(1)機械的信号:例えば,トルク,回転数,振動,圧力,音など。
(2)電気磁気的信号:例えば,電流,電圧,透磁率,磁束密度など。
(3)化学的信号:例えば,潤滑油の色,摩耗粉,水分,気体,漏れなど。

予知保全

図3 予知保全

このような信号を機械設備の機能低下と結びつけて,故障や異常の予知保全につなげて行くのが設備診断技術の基本です。そのために,各信号ごとの設備診断,装置の開発が盛んに行われ,各種の信号を集中管理して,最も適切な予知保全を行うための設備診断コンピュータシステムにまで発展しつつあります。

このように設備診断技術とは非常に高度な保全技術の手法です。この手法による「予知保全」あるいは「状態監視保全」が,これからの保全といわれる理由です。

現在では鉄鋼メーカにおいて,すでにマイクロコンピュータを利用した高炉油圧装置診断システムなどの例があります。ここでは診断のための信号に―

(1)油圧力
(2)油温度
(3)シリンダストローク
(4)シリンダ速度
(5)ポンプ内油温度
(6)フィルタ差圧力
(7)油汚染度
(8)電磁弁励磁

などを取っていて,故障発生に対する判断,故障発生前後のデータ収集,油圧機器の劣化傾向を解析するなどの機能を持っています。

「予知保全」の手法が新しく,これからの保全であるとは言っても,これまでにお分かりのように高級なものですから,どこまでも採用するというわけにもいきません。やはり,経済的なことを考えるとまず次のような分野において次第に普及して行くことになるでしょう。

(1)大規模機械設備で,トラブルによる停止や修理によって大きな損害の出るもので,復元に長時間を必要とするもの。

(2)トラブルが人命や人体に対して危険をともなうもの。

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最終更新日:2021年9月10日