ベアリング寿命の新理論 | ジュンツウネット21

1989年9月に世界的な大手ベアリングメーカーであるSKF社が発表した,ベアリング寿命の予測理論式について解説します。

ベアリング寿命の新理論※

ベアリング寿命の理論について,新しい発表がなされたようです。簡単に解説して下さい。
解説します。

ベアリングの寿命は初期には(1)式があり,これを改善して(2)式が用いられてきました。

L10=(C/P)^P ・・・・・・(1)

ここにC:基本動定格荷重
    P:動等価負荷
    p:指数 玉受軸→ 3
         ころ軸受→ 10/3

Lna=a1×a23×L10 ・・・・・・(2)

ここに a1:信頼度係数
     υ:動粘度
     υ1:必要動粘度(nとdmによって定まる)
     n:回転数
     dm:ピッチ円直径
     a23:寿命修正係数

信頼度係数a1表1のように定まり,寿命修正係数は図1のように動粘度比によって定まります。

表1 信頼度係数 a1
信頼度 %
90
95
96
97
98
99
信頼度係数 a1
1.00
0.62
0.53
0.44
0.33
0.21
寿命修正係数と動粘度比
図1 寿命修正係数と動粘度比

理論式(1)ではベアリングに対する負荷条件のみを考慮していましたが,理論式(2)では信頼度係数,潤滑油の動粘度,さらに材質についての考慮が入れられました。

1989年9月に世界的な大手ベアリングメーカーであるSKF社が,バース大学のセミナーにおいて,新しくベアリング寿命の予測理論式を発表しました。これは数多くの実験結果から導びかれました。

(3)式がそれです。

Lnaa=a1×aSKF×L10 ・・・・・・(3)

ここに  Pu:破壊負荷限界
     ηc:汚染修正係数
     aSKF:寿命修正係数

この理論は二つの新しい考えが含まれています。

破壊負荷限界Puがそのひとつで,清浄な潤滑油の状態で疲労が生じない最小の負荷を示します。

他のひとつは汚染係数ηc(イータシー)です。

ηcは潤滑油の状態を次のように示す修正係数です。

状態
ηc
非常に清浄
1.0
清浄
0.8
普通
0.5
汚染状態
0.5~0.1 
著しい汚染
対象外

図2aSKFとηc・Pu/Pの関係を示します。

aSKFとηc・Pu/Pの関係

パラメータ κ はυ/υ1の粘度比を表します。

ベアリングの隙間は0.1~1.0μmであるとされ,潤滑油中の1μm以上の汚染粒子を除去することで寿命は飛躍的に長くなり,図3のように考えられていたのに対して,潤滑油が十分に清浄で,負荷がPu以下であれば図4に示すように無限に使用が可能であるとしています。

古典理論と従来理論
図3 古典理論と従来理論
新理論
図4 新理論

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