オイルシールの選定方法 | ジュンツウネット21

オイルシールの分類や選定の目安について解説します。

オイルシールの選定方法

密封装置(シール)は使用条件等により,形状,材料等の選定方法が違いますが,特にオイルシールを中心に選定の目安があればご教示ください。
解説します。

1. シールの分類

密封装置(シール)は使用条件や目的に応じ,構造や形状,材料が異なるのが一般で,図1に示すように分類されています。

シールは大別すると運動用シールと固定用シールに分類されます。特に運動用シールの選定においては,密封性に影響を与える因子がさまざまな事から,その使用条件におけるシールの選定がポイントとなります。

密封装置の分類
図1 密封装置の分類(画像クリックで拡大。ブラウザの戻るで戻ってください)

2. 運動用シールの適用範囲

運動用シールの種類は非常に多く,接触式シールとしてはオイルシール,メカニカルシール,グランドパッキン,リップパッキン,Oリング等があり,速度,圧力,温度等の条件に応じて使い分けます。例えば,シールによる速度と圧力限界の関係は図2のようになります。

運動用シールの速度限界と圧力限界
図2 運動用シールの速度限界と圧力限界

ここでは最も一般的なオイルシールについて詳細をご説明します。

オイルシールは,他のシールと比較して低い圧力範囲で使用され,構造が簡単で,取り付けスペースが小さく,低価格で容易に使用する事ができます。通常0.03MPa{0.3kgf/cm2}以下の圧力条件で,軸受と併用して使います。0.03MPa{0.3kgf/cm2}以上の場合は耐圧シールを使用します。油だけでなく水やその他液体を機械内部に密封する事をおもな目的として使用し,簡単なダストも防ぎます。

軸振れ,限界速度の対応可能な範囲も比較的広く,十分な油の供給があれば低摩耗で安定した密封性能を長期間維持できます。このような事からオイルシールは自動車を始め生産機械,船舶,家電製品等に幅広く使用されています。

3. オイルシールの選定

図3にオイルシールを主体とした型式選定のフローチャートを,表1にはオイルシール用材料選定の目安として主要ゴム材料の特長を示します。

オイルシール型式選定のフローチャート
図3 オイルシール型式選定のフローチャート(画像クリックで拡大。ブラウザの戻るで戻ってください)
表1 主要ゴム材料の特長
ゴムの種類
特長
許容温度範囲 ℃
耐油性
潤滑油
作動油
一般鉱物油
低アニリン点油
グリース
石油系
水素系
りん酸エステル系
燃料油
ニトリルゴム(NBR) 耐油性,耐熱性,耐摩耗性が優れており,オイルシール用材料として最も多く使用されている。一般の機械にはほとんどの条件に使う事ができます。
-40~+120
アクリルゴム(ACM) ニトリルと同様に使用でき,耐熱性はニトリルより優れています。
-25~+150
シリコーンゴム(VMQ) 耐熱性,耐寒性に非常に優れています。しかし極圧添加剤袋入り油やスピンドル油等には耐性がない。
-45~+170
ふっ素ゴム(FKM) ゴムの中で最も優れた耐熱性,耐油性,耐薬品性を持っており,広い使用範囲を有しています。
-15~+200

 :安定  :ほぼ安定  :やや不安定  :不安定

以上,型式と材料の選定について簡単にご紹介しましたが,オイルシールの軸表面と接触幅は0.1~0.5mm程度であり,その幅内で潤滑油を密封する作用を働かしています。従って,その接触状態を阻害する要因,すなわち環境条件によってシール性能や寿命は大きく左右されます。機器の設定に際しては,できるだけ条件の緩和をはかり,条件にあった適切なオイルシールを選定する事が必要です。

軸受~耐圧限界
図4 軸受~耐圧限界

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