トライボロジに関する極限条件とは | ジュンツウネット21

トライボロジに関する極限条件とは,決まった値として定義できるものではありません。あえて定義すると,トライボロジ問題を科学技術面から見て,その環境や条件をつくるのが難しい場合や,通常使用しない条件下において扱う場合,材料や機械部品から見て,それらの限界に近い物理的条件や環境下で扱う場合ということができそうです。

トライボロジに関する極限条件とは

トライボロジに関する極限条件とはどのような事を指すのでしょうか。
解説します。

広辞苑によると,極限とは「或量が,一定の規則の下に,或確定した量に限りなく近づく場合,後者を前者の極限という」と記されています。このような定義から,「トライボロジに関する極限条件とは何ぞや」という事を簡単に正確に表現する事は大変な難問です。

そこで,まずトライボロジの定義について再確認する事からはじめたいと思います。日本トライボロジー学会編の潤滑用語集によれば,「相対運動を行う接触面とそれに関連した応用に関する科学・技術の総称で,具体的には摩擦,摩耗,潤滑,軸受設計等をその対象とし,これらの問題における物理学,化学,材料科学,応用力学等を含む」と定義されています。

トライボロジに関する極限条件を説明するためには,上記定義のアンダーライン部分に注目する必要があるでしょう。すなわち物理学を例にとれば,具体的には,温度や圧力等でこれまでトライボロジ的に経験の乏しい場合や技術的に困難さが伴う環境や条件下でのトライボロジ問題を扱う場合に,トライボロジに関する極限条件という事ができるでしょう。また,化学の面から眺めると極めて腐食性の高い環境下でのトライボロジ問題を扱う場合においても同様に考えられます。しかし,これらについても材料の選定によって解決できる場合がある事はみなさんも良くご存知の通りです。この点から眺めてみますと,ある材料では極限条件であるけれども別な材料からみればちっとも極限条件ではないという場合があります。

温度条件を例に大ざっぱに比較してみますと,プラスチック材料の温度限界は耐熱性のものでも300℃内外であり,セラミックスの場合は1,000℃以上まで十分な耐熱性があるでしょう。この両者について,例えば300℃の環境下でのしゅう動部材を作ろうとすればプラスチックにとっては大変な極限条件であり,セラミックスにすれば全然問題はない,という具合です。ただし,セラミックスにとって温度以外の条件が厳しければまた話は別で,脆性材料であるセラミックスにとっては,振動や衝撃的な負荷が伴い,破壊しやすいような条件の場合には,これもまた極限条件であるという事ができるでしょう。

このように,トライボロジに関する極限条件とは,ある決まった値として定義できるものではないのです。私の判断で,あえて定義しようとすれば,次のようにわけていう事ができそうです。

(1)科学技術面から見て,その環境や条件をつくるのが難しいとか厄介な場合や,通常使用しないそれらの条件下においてトライボロジ問題を扱う場合(例えば,高温,低温,真空,高圧,プラズマ中,海水中,通電状態,高負荷,高速等)

(2)材料や機械部品から見て,それらの限界に近い物理的条件や環境下でトライボロジ問題を扱う場合

上記は,私が勝手に定義してみたものであり,もちろん異論がある方もいるでしょう。もっと広い意味にとらえる方もいれば,逆にもっと狭くとらえる方もいるでしょう。一般的には(1)と(2)を混同して使用しているため,曖昧でわかりにくいのが実状と思われます。この問題は,このように人それぞれ判断が異なると思われます。そもそもトライボロジに影響する因子が,28も存在するといわれるほど厄介なものですから仕方ない事かも知れません。

また,最初の広辞苑による「極限」の説明で明らかなように,極限の定義そのものが科学技術の進歩とともに変わってくるものであり,当然それに伴って極限条件も変遷すべきものである事を申し添えておきます。

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