Oリングの粘着によるトラブル | ジュンツウネット21

Oリングの粘着対策には,潤滑剤のエラストマー材料への添加や,後処理による表面処理(コーティング含む)があります。

Oリングの粘着によるトラブル

Oリングの粘着によるトラブルについて教えてください。
解説します。

各種製造現場では,作業効率の向上,コスト削減を目的としてFA(Factory Automation)が進んでいます。この流れはシール材の取り付けにおいても例外ではなく,取り付け工程に連続自動装着機が数多く設置されています。パーツフィーダーにOリングを充填した後,各種機器へ1個ずつ取り付けを行っていきますが,パーツフィーダー内でOリング同士が粘着した場合,連続自動装着機は稼動できず,運転が停止するトラブルとなります。トラブル回避の手法として,Oリングにグリスや油等の潤滑剤を塗布する方法がありますが,機器および製品の汚染が問題となるケースがあります。また,各種潤滑剤の塗布に要する時間や工程は効率の点で大きなマイナスであり,抜本的な改善が必要とされます。

粘着対策として,潤滑剤のエラストマー材料への添加や,後処理による表面処理(コーティング含む)が存在しますが,現実的には後者が大多数を占めます。表面処理の処理方法は,従来からの薬液への浸せきによる処理方法のほかに,最近ではCVD(Chemical Vapor Deposition)的方法を用いたものも見られるようになっています。*1

表面処理の内容によって多少差異はあるでしょうが,各処理とも未処理のものと比較した場合,粘着に対して一定の効果が確認できます。参考として,日本バルカー工業製品の非粘着処理(ニューラバフロン)の評価データ(図1)を記載します。

表面処理(ニューラバフロン)の非粘着性データ

試験条件
試料 15×25×2t
荷重 100gf
荷重保持時間 1min/10min
相手材 SUS304 円柱φ5
速度 600mm/min
試験温度 25℃/150℃
図1 表面処理(ニューラバフロン)の非粘着性データ

 

*1 目功,低摩擦係数のゴム材料の開発,バルカーレビュー42,10,1998,P10~P13

アーステック



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最終更新日:2021年11月5日