メカニカルシール装着部の精度と取り付け位置が適切であることが基本です。次に,メカニカルシールが装着される機器が強固な基礎にしっかり固定されていることや配管の重量や熱ひずみによる荷重が作用しないように施工されていることが重要です。
メカニカルシールの漏洩未然防止(メンテナンスに必要なポイント)
メカニカルシールのメンテナンスに必要なこととポイントを教えてください
解説します。
第一に,メカニカルシール装着部の精度(寸法,仕上げ,軸振れ,直角度,平行度,同軸度,軸受けのエンドプレイ,カップリングの直結精度など)と取り付け位置が適切であることが基本です。必要な精度については,「メカニカルシールハンドブック」やシールメーカーの取り扱い説明書に記載されています。
次に,メカニカルシールが装着される機器が強固な基礎にしっかり固定されていることや配管の重量や熱ひずみによる荷重が作用しないように施工されていることが重要です。
運転・保守には点検・確認事項が多くありますが,その中で特に重要なのは,運転前のガス抜き不十分,空運転,負圧運転などによるドライ運転を避け,シール端面の熱割れや早期摩耗を防止します。運転前の異常トルク,運転中の異常振動,異音,異常発熱などは,メカニカルシール破損の原因となります。
また,結晶性液や固着しやすい液を取り扱うポンプなどで,長期間停止する場合には,停止後に,液を抜き,十分洗浄することが再起動時の漏洩防止に効果があります。