トルクヒンジオイル (開閉装置の騒音を防ぐ) | ジュンツウネット21

トルクヒンジオイルの特性について解説します。トルクヒンジ(Torque hinge)とは,油圧の力によって船の甲板のハッチカバーを開閉する装置です。このハッチカバーを開閉させると,トルクヒンジの作動音が船倉全体に共鳴して著しい騒音を発するため,騒音の出ない油圧作動油が要望され,トルクヒンジオイルが開発されました。

トルクヒンジオイル(開閉装置の騒音を防ぐ)

トルクヒンジオイルとは,どこに使用される潤滑油ですか。また,必要とされる特性をご教示下さい。
解説します。

大型貨物船の経済的な運航には,荷役作業中の繋留時間が重要で,短いほどよいことはいうまでもありません。

トルクヒンジ(Torque hinge)とは,油圧の力によって数トンにも及ぶ船の甲板のハッチカバーを開閉する装置のことです(図1)。

トルクヒンジ
図1 トルクヒンジ

大型鉱石運搬船になると,その一つが20~30m四方以上にもなり,重量も相当重くなります。このハッチカバーを開閉させると,トルクヒンジの作動音が船倉全体に共鳴して著しい騒音を発します。そのために騒音の出ない優れた油圧作動油が要望され,ここに新しいトルクヒンジオイルが開発されました。

新しく開発されたトルクヒンジオイルは,

(1)粘度指数がきわめて高い
 粘度指数がきわめて高いため,作動油の温度が広範囲に変化しても大きな粘度変化がなく,適正粘度で円滑な運転を維持します。優れた粘度指数向上剤の使用により,せん断安定性が高く,過酷な条件下においても粘度低下がきわめて少ない潤滑油です。

(2)流動点が低い
 寒冷地においてもスムーズに作動します。

(3)極圧性が高い
 トルクヒンジしゅう動部分の摩擦,摩耗を防止し,作動を滑らかにし,騒音が発生しないように特殊な摩耗防止剤,極圧添加剤が添加されており,スティックスリップ現象の発生を防止します。

(4)耐用年数が長い
 短期運転,長期休止のサイクルにおいて,油圧系統のさび発生を防止するために,有効な酸化防止剤およびさび止め剤を添加して耐用年数を長くしております。

A社のトルクヒンジオイルの一般性状(例)を表1に示します。

表1 トルクヒンジオイルの一般性状
比重(15/4℃)
0.885
引火点(開放式)(℃)
166
流動点(℃)
-37.5
色相(ASTM)
1.5
動粘度 (40℃)mm2/s {cSt}
     (100℃)mm2/s {cSt}
32.0
6.9
粘度指数
180

トルクヒンジの主要メーカーは,スウェーデンのNAVIRE CARGO GEAR社,アメリカのWILEY社,日本のカヤバ工業(株)です。

トルクヒンジオイルは,また,次のようなトルクの伝達が必要な装置にも使用できます。

  • 加熱炉蓋開閉装置
  • 炉の転倒装置
  • アンテナ自在回転装置
  • 橋梁はねあげ装置
  • 水門開閉装置
  • 扉開閉装置
  • 床面はねあげ装置

ブルカージャパン ナノ表面計測事業部

アーステック



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