作動油の温度はなぜ上がるか | ジュンツウネット21

作動油の温度上昇は,作動油内部からの発熱と機械のしゅう動部分からの発熱によるものとに分けられます。作動油内部からの発熱原因は,(1)減圧による発熱,(2)内部漏れによる発熱,(3)かくはん抵抗による発熱,に分けられます。

作動油の温度はなぜ上がるか。

油圧装置では作動油が高温になるために,冷却器で強制的に温度を下げたり,油タンクを大きなものにして,放熱を図っているようです。作動油の温度はなぜ上がるのですか
解説します。

作動油の温度上昇は,作動油内部からの発熱と機械のしゅう動部分からの発熱によるものとに分けられます。

また特殊なものとしては,油圧装置そのものが置かれている環境によるものもあります。これはたとえば製鉄会社の熱延設備とか溶鉱炉,あるいはダイカストマシンなど油圧装置が高温にさらされる場合ですから,作動油の温度上昇は外部からの熱によるものといえます。

作動油内部からの発熱原因は次のように分けることができるでしょう。

(1)減圧による発熱
(2)内部漏れによる発熱
(3)かくはん抵抗による発熱

1. 減圧による発熱

油圧装置では作動油に圧力と流動量を与えて,一定の仕事をすることを目的とします。

作動油がエネルギをもっているわけです。エネルギは「仕事をする能力」です。

エネルギには油圧装置における作動油の圧力×流量=油動力のようなものから,電気的エネルギ,機械的エネルギ,光のエネルギ,化学的エネルギなどいろいろなものがあります。

このようなエネルギは,お互いに変換されることができるわけで,そのエネルギの総和はいつも一定であって,新しく造り出すことができず,消滅することもないのです(エネルギ保存の法則であります)。

油圧装置では図1のように作動油の圧力が高くなりすぎるのを防止するために,リリーフ弁を使用します。ここで圧力をもった作動油は油タンク中に逃がされます。圧力エネルギは大気圧に放出されてしまいます。そこで圧力エネルギは熱エネルギに変換され,作動油の温度は上昇していきます。

リリーフ弁での作動油発熱

図1 リリーフ弁での作動油発熱

油圧装置ではリリーフ弁のほかに減圧弁も数多く使用されます。ここでも発熱が同じように生じます。また,流量調整弁では圧力差は一定ですが,紋り機構によって制御した以外の作動油流量のもっている圧力エネルギが熱エネルギとなって発熱します。

2. 内部漏れによる発熱

油圧装置では作動油に与えた圧力と流量が密封されているはずですが,ポンプも,各種制御弁もかならず回転部分にすき間があります。圧力をもった作動油がこのようなすき間から図2のように漏れていきます。

作動油が高圧側から低圧側あるいは大気圧側(油タンクライン)に漏れることによって圧力のエネルギが熱エネルギとなり,油温が上昇します。

すき間漏れによる発熱

図2 すき間漏れによる発熱

3. 撹拌抵抗による発熱

作動油は油圧装置の回路中を流れていきます。各種制御弁,鋼管,ホース,継手を通っていく場合に,かくはん通過断面積の縮小,拡大などによる流れの抵抗,作動油自体の運動によるエネルギ損失(熱エネルギ交換)が生じます。

図3のように作動油の通路が急に拡大される部分では,ウズが発生します。これが油動力エネルギを損失させて,熱エネルギに変換されます。つまり発熱源のひとつになるわけです。

流れのウズによる発熱

図3 流れのウズによる発熱

機械しゅう動部の発熱は,ポンプや油圧モータ,油圧シリンダのマサツ抵抗によって起こるものです。このような機械のこすり合う部分に働く力は「仕事をする能力」ですからエネルギです。

ところが機械のしゅう動部では,このエネルギに逆らったマサツ力で抵抗します。「仕事をする能力」の運動エネルギは熱エネルギに変換されて,そこを通過する作動油に伝達され,油温を上昇させます。

このように油圧装置では,いたるところで発熱を生じていますが,高温の使用雰囲気では,外部から熱が伝達される場合もあります。

油圧装置で生じている発熱量がすべて作動油の油温になるわけではありません。発熱と同時に,いつも放熱しています。油圧装置の発熱量の総和が大きく,高温に向かおうとするほど放熱も大きくなります。

油圧装置の放熱は作動油の温度と周囲温度との差⊿tおよび油圧装置の表面積Aと正比例します。

これを式で示すと次のようになります。

  放熱量 H(kcal/h)=k×A×⊿t

   ここに,k:放熱係数(kcal/m2h℃)
        A:放熱面積(m2
       ⊿t:油温-周囲温度(℃)
   kはおよそ10前後です。

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