
写真1 状態監視振動診断技術者コミュニティの様子
2004年にスタートした「ISO18436-2 準拠機械状態監視診断技術者(振動)」資格認証制度は14年目を迎えた.2017年8月時点での本資格の試験合格者はカテゴリ I 740人,カテゴリ II 3,608人,カテゴリ III 369 人,カテゴリ IV 28人となっている.
一方,トライボロジーの試験は2009年に開始され,2017年1月時点でカテゴリ I 886人,カテゴリ II 187人,カテゴリ III 8人の合格者となっている.
本資格は診断技術に特化したもので,これまでに類のない資格として,設計技術者,保全技術者から高度専門家まで,また重工業・回転機械製造産業,エンジニアリング・メンテナンス産業,石油・化学・鉄鋼・電力・ガスなど多岐にわたる産業分野の技術者が資格を取得している.
それぞれ振動診断技術という共通の技術に携わる技術者が異なる業種にある技術者同士の技術交流,情報交換は新たなヒントを得る貴重な機会であり,技術力の向上に役立つことから,機械状態監視診断技術者のコミュニティの場として,また資格取得者に対するフォローアップの場として毎年開催している.
9回目となる今回は75名が参加し,当日は同コミュニティ主査の渡部 氏の司会進行で行われ,渡部 氏の挨拶の後,JFEスチール東日本製鉄所の現場見学が行われた.その後,鈴木 克義 氏(NTN)が特別講演「風力発電機用状態監視装置の適用状況」を,本井 久之 氏(IHI)が講演「ISO TC108の変遷と動向」を行った.
振動最上級のカテゴリ IV合格者による事例紹介では,「ラジアル荷重を受ける転がり軸受の振動診断」を関口 泰久 氏(広島大学)が,「ボイラ給水ポンプ軸クラックの発生とねじり振動」を和田 章弘 氏(酉島製作所)が事例を基に調査や対策などの経験談を紹介した.
また,トライボロジー最上級のカテゴリ III 合格者による事例紹介では,石倉 陽 氏(ジェイペック)が「遠心ポンプにて発生した転がり軸受の損傷事例について」のテーマで軸受油分析による軸受の損傷診断の事例を紹介した.

写真2 質疑の様子
参加者相互の技術討論会では45名が参加し,盛況となった.
なお,次回の第10回ミーティングは,2018年10月12日(金)に,酉島製作所で工場見学も入れて開催する予定.
表1 受験申請者数と合格者数(振動)
(2004年度第1回~2017年度第1回)
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表2 受験申請者数と合格者数(トライボロジー)
(2009年度第1回~2016年度第3回)
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図1 ISO18436-2準拠 機械状態監視診断技術者(振動)資格認証試験 受験申請者の所属産業分野累計(2004年度第1回~2017年度第1回)

図2 ISO18436-4準拠 機械状態監視診断技術者(トライボロジー)資格認証試験 受験申請者の所属産業分野累計(2009年度第1回~2016年度第3回)
解説 機械状態監視
- 「状態監視振動診断技術者コミュニティ第14回ミーティング」開催される
- 「状態監視振動診断技術者コミュニティ 第12回ミーティング」開催される
- 「状態監視振動診断技術者コミュニティ 第9回ミーティング」開催される
- 状態監視振動診断技術者コミュニティ第6回ミーティング開催
- ISO18436に準拠した機械状態監視診断技術者の現状と必要性
日本機械学会 松田 博行 - 状態監視振動診断技術者コミュニティ
- 機械状態監視診断技術者(トライボロジー)における訓練の詳細と試験レベル
トライボロジー資格認証小委員会 野口 昭治 - トライボロジーと資格制度
玉川大学 似内 昭夫 - 機械状態監視診断技術者(振動)資格認定の状況
関西大学 岩壺 卓三