日本機械学会は2022年10月14日(金),Zoomを利用したオンラインで「状態監視診断技術者コミュニティ第12回ミーティング」(主査:渡部 幸夫 氏,元日本精工)(写真1)を開催した.

写真1 渡部主査による挨拶
2004年にスタートした「ISO18436-2準拠 機械状態監視診断技術者(振動)」資格認証制度は今年で19年目を迎え,試験合格者はカテゴリ I 819人,カテゴリ II 4,557人,カテゴリ III 457人,カテゴリ IV 34人となっている(表1).
また2009年に開始した「ISO18436-4準拠 機械状態監視診断技術者(トライボロジー)」の資格認証制度の試験合格者は,カテゴリ I 1,180人,カテゴリ II 234人,カテゴリ III 11人となっている(表2).
表1 受験者数と合格者数(振動)
(2004年度第1回~2022年度第1回)
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表2 受験申請者数と合格者数(トライボロジー)
(2009年度第1回~2021年度第1回)
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同資格は診断技術に特化したものであり,これまでに類のない資格として,設計技術者,保全技術者から高度専門家まで,また重工業・回転機械製造,エンジニアリング・メンテナンス産業,石油,化学,鉄鋼,電力,ガスなど多岐にわたる産業分野の技術者が資格を取得している(図1,2).

図1 ISO18436-2準拠 機械状態監視診断技術者(振動)資格認証試験 受験申請者の所属産業分野累計(2004年度第1回~2022年度第1回)

図2 ISO18436-4準拠 機械状態監視診断技術者(トライボロジー)資格認証試験 受験申請者の所属産業分野累計(2009年度第1回~2021年度第1回)
それぞれ振動診断技術という共通の技術に携わる技術者が異なる業種にある技術者同士の技術交流,情報交流,情報交換には新たなヒントを得る貴重な機会であり,技術力の向上に役立つことから,機械状態監視診断技術者のコミュニティの場として,また資格取得者に対するフォローアップの場として毎年開催している.
12回目となる今回は約140名が参加し,同コミュニティ幹事の沼尻 光一郎 氏(写真2)が司会進行を務め,渡部主査による挨拶とコミュニティの活動報告の後,振動カテゴリ IV合格者による事例紹介として,「トポロジカルデータ分析による振動データ評価手法の紹介」を日隈 幸治 氏(東芝エネルギーシステムズ),「硫酸ブロワー駆動用モータリプレイス後の振動対策事例を嶋田 繁年 氏(IMV)の2件の講演が行われた.

写真2 司会進行をする沼尻幹事
その後,恒例の事前Eメール受付による振動相談では,「ファン異常振動について」,「ファンで発生する振動について」,「ポンプで発生する振動について」の3件への回答や技術討論が活発に行われた.最後に,来年は図3に示すように故障診断だけでなく,機械の医者としてコミュニティの輪をさらに広げ,顔を合わせて議論しようと決起して終了した.

図3
なお,次回第13回ミーティングは2023年10月に開催する予定.
第12回ミーティングの内容については,日本機械学会の「振動技術者コミュニティ」のホームページ(https://www.jsme.or.jp/conference/joutai/)に詳しく紹介している.
■機械状態監視診断技術者(振動/トライボロジー)
○資格認証試験についての問い合わせ先
一般社団法人日本機械学会 事業企画グループ
TEL 03-4335-7616 FAX 03-4335-7619
E-mail joutai@jsme.or.jp
URL https://www.jsme.or.jp/jotaiweb/
解説 機械状態監視
- 「状態監視振動診断技術者コミュニティ第14回ミーティング」開催される
- 「状態監視振動診断技術者コミュニティ 第12回ミーティング」開催される
- 「状態監視振動診断技術者コミュニティ 第9回ミーティング」開催される
- 状態監視振動診断技術者コミュニティ第6回ミーティング開催
- ISO18436に準拠した機械状態監視診断技術者の現状と必要性
日本機械学会 松田 博行 - 状態監視振動診断技術者コミュニティ
- 機械状態監視診断技術者(トライボロジー)における訓練の詳細と試験レベル
トライボロジー資格認証小委員会 野口 昭治 - トライボロジーと資格制度
玉川大学 似内 昭夫 - 機械状態監視診断技術者(振動)資格認定の状況
関西大学 岩壺 卓三