切削油剤の環境への配慮 | 切削油剤選定のポイント | 切削油適油選定BOX | ジュンツウネット21

ユシロ化学工業株式会社 太田 朋子

4.環境への配慮

環境への配慮という面から切削油剤をみた場合に注意すべき点は,環境負荷物質を含まないこと,廃棄物(廃油,廃液)の削減が挙げられる。切削油剤の選定において,これらが大きな比重を占めるようになってきた。

4.1 塩素フリー

塩素系極圧添加剤を含む廃油は,ダイオキシンを生成させないように適正に焼却処理されなければならない。また,短鎖長(炭素数10~13)の塩素化パラフィンには発ガン性の疑いがある。これらを大きな要因として切削油剤の塩素フリー化が進められており,切削油剤のJIS規格においても,塩素系極圧添加剤を含む油剤は削除されている。

4.2 PRTR法

PRTR法とは,人の健康や生態系に悪影響を及ぼす恐れのある化学物質の環境への排出量を把握することにより,環境問題を未然に防ごうとするものである。PRTR法によって指定された化学物質を含まない,環境に配慮した切削油剤が販売されている。

4.3 廃棄物の削減

油剤費の削減,廃油の削減を目的として,ミスト加工,ドライ加工が一部において実用化されている。しかし,すべての加工について適用することは不可能である。現在,切削油剤を使用したうえでの廃棄物削減に最も有効な手段は,切削油剤の長期使用(ロングライフ化)である。耐劣化性に優れた切削油剤を選定し,適切な管理を行うことによって,更液周期の延長が可能となっている。


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最終更新日:2017年8月31日