加工方法による油剤選定 | 切削油剤選定のポイント | 切削油適油選定BOX | ジュンツウネット21

ユシロ化学工業株式会社 太田 朋子

3.加工方法による油剤選定のポイント

加工方法によっても適する切削油剤は異なるが,被削材の種類による影響が大きい。鋼を加工する場合の一般的な適用例を示す。

3.1 切削加工

(1)旋削加工
 加工能率が重視され,高速で加工を行うため,冷却性に優れる水溶性油剤(エマルション,ソリュブル,ソリューション)が適用される。仕上げ面粗さ,加工面精度が要求される低速加工の場合は,刃先への溶着物を防止するため,不水溶性油剤(N3種)が適用される場合がある。

(2)フライス,エンドミル加工
 断続切削の場合は,工具の熱衝撃によるチッピングが生じやすいため,ドライ加工,または不水溶性切削油剤の使用が適する。

(3)穴あけ加工
 冷却性に優れる水溶性油剤が適用される。特に硫黄系極圧添加剤を含む重切削用エマルションの適用例が多い。ガンドリルによる加工の場合は加工精度を要求されることが多く,低粘度の不水溶性油剤(N3種,N4種)が適する。

(4)リーマ加工
 構成刃先,工具摩耗を抑制するため,極圧添加剤を含む低粘度の不水溶性油剤(N3種,N4種)が適する。水溶性油剤を使用する場合は,硫黄系極圧添加剤を含む重切削用エマルションが適用される。

(5)タップ加工
 タップと被削材間の摩擦が大きいため,潤滑性,抗溶着性に優れる不水溶性油剤の適用が一般的である。タップ加工用として推奨されている油剤は極圧添加剤を含有している。また,被削材や加工条件によっては水溶性油剤を適用できる場合があり,硫黄系極圧添加剤を含む重切削用エマルションが高濃度で使用される。

(6)歯切り加工
 ホブ切りは,一般的にはドライ加工または不水溶性油剤(N2種)が適用される。
 シェービングは仕上げ加工のため,加工精度が要求される。低粘度の不水溶性油剤(N3種)が一般に適用される。

(7)ブローチ加工
 工具寿命,加工精度ともに重視されるため,極圧添加剤を含む不水溶性油剤(N4種)の適用が一般的である。

3.2 研削加工

研削加工では,加工による発生熱の多くが工作物に蓄熱される。そのため,研削油剤には,摩擦熱の発生を低減させる潤滑性,発生熱を除去する冷却性,および,研削点に油剤が達し,さらに砥石の目詰まりを防止するための浸透性(洗浄性)が要求される。

一般的には冷却性に優れる水溶性油剤が使用され,潤滑性と浸透性が良好なソリュブルが適する。また,シンセティックソリューションも適用される。クリープフィード研削(工具研削),ホーニング,スーパーフィニッシュの加工には,低粘度の不水溶性油剤が適用される。


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