切削油の作業環境への配慮 | 切削油剤選定のポイント | 切削油適油選定BOX | ジュンツウネット21

ユシロ化学工業株式会社 太田 朋子

5.作業環境への配慮

作業環境の清潔さ,油剤管理のしやすさ,廃油,廃液の処理性なども,切削油剤の選定にあたっては重要なポイントである。
 また,引火の危険性を排除するため,不水溶性切削油剤から水溶性切削油剤へ切り替えられる場合がある。作業環境に関連し,水溶性切削油剤へ切り替える場合の一般的な注意点を示す。

(1)加工について
 潤滑性に優れる不水溶性切削油剤から水溶性切削油剤へ切り替える場合は,工具寿命,加工精度の低下を生じやすい。加工方法や被削材の特性に合った油剤を選定することは重要であるが,工具材質や加工速度など条件の変更も必要となる場合が多い。

(2)設備について
 水で希釈する水溶性切削油剤を使用する場合に,設備面で注意すべき点を挙げる。

1. さびの対策
 加工機械,配管,タンク等を,さびが生じないように対策する。具体的には,材質の変更,油剤が進入しにくい構造の採用,シールの設置などを行う。

2. シール材の変更
 耐油性のシール材を,耐水性のシール材へ変更する。ただし切削油剤の種類とシール材の種類によって影響が異なるため,事前に確認することが望ましい。

なお,加工方法,設備などは個々に状況が異なるため,切削油剤の選定,設備等の変更に際しては,油剤メーカー,装置・機械メーカーと,事前に協議することをお勧めする。


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最終更新日:2017年8月31日