産業洗浄装置ガイド

水溶性洗浄剤使用の密閉型パーツ洗浄機「トレント」の最新機種「トレント700」を発売―日本NCH | 産業洗浄装置ガイド | ジュンツウネット21

日本エヌ・シー・エイチ株式会社 2019/3

 工業用メンテナンス製品を中心に洗浄剤,潤滑剤など幅広い製品を世界60ヵ国以上に販売しているNCHコーポレーションは,1919年に米国テキサス州ダラスで創業し,今年100周年を迎えた.日本国内においては,1969年に日本エヌ・シー・エイチ株式会社ナショナル・ケムサーチ事業部を創業し,50年にわたり洗浄剤,防錆剤,冷却塔の水質管理といったメンテナンスケミカルメーカーの立場から国内の製造業における5S-TPM推進活動をバックアップしてきた.

 この50年で自動車部品や産業部品の汚れを洗浄するパーツ洗浄機は大きく様相が変わってきた.NCHが有機溶剤を用いた手洗いのパーツ洗浄機を発売したのは1960年のことで,以降,1971年には水溶性の洗浄剤を用いた全自動型のパーツ洗浄機を,2010年には洗浄剤が飛散しない密閉型のパーツ洗浄機「トレント500」を発表.そして創業100周年の節目となる2019年にトレント500の上位モデルとなる「トレント700」が発売となる.

パーツ洗浄機の歴史
パーツ洗浄機はこの100年で大きく様変わりしているのがよくわかる.機能の充実でユーザビリティを上げつつ,環境負荷低減にも対応.

洗浄シンクとフードを拡大,大型部品の洗浄にも対応

 まず大きく変わったのが,洗浄シンクとそれを覆うフードのサイズだ.横幅で400mm以上拡大され,これまでシンクに収まらなかった大型部品の洗浄にも対応する.大型化されたフードは耐熱性を高めた樹脂を使用し,熱によるゆがみや変形を抑制.さらにスムーズ&イージーな開閉性を実現するため3本のスプリングダンパーが採用されている.シンクの中央にはターンテーブルが標準装備され,耐荷重も80kgに引き上げられた.また,トレント500ではシンク右に配置されていた洗浄ノズルとエアノズルはセンターレイアウトに変更された.これにより全方位から最適な角度で洗浄液を噴射でき,作業性が大きく向上する

トレント700のシンク
シンクの中央にはターンテーブルが標準装備.ウインドウも拡大され視認性も向上している

洗浄液の水圧を任意で調整可能に

 トレント700の最大の特長といえるのが,ノズルから噴射される洗浄液の水圧だ.トレント500では22barだったものが,17~40barの間で任意の水圧に調整できる可変式となった.この変更で,従来まで水圧が高すぎて使用できなかった小さな部品に対応するとともに,水圧が弱く除去しきれなかった固着汚れにも対応可能となった.

 さらに,シンク下に収容されているタンクにも大きな変更が加えられている.トレント500では別体だったプランジャーポンプ,モーターを一体化.幅広い水圧調整が可能になっただけでなく,作動音が86dBから70dBへと大幅に低減された.同時に,ポンプ作動による打音を解消.静粛性と作業性の両立を実現した.

 カバーオープン時には作動しないセーフティ機構やフットスイッチによるON / OFFで両手が自由に使え,カバーウインドにエアワイパーを装備し視界を確保する作業性の良さなどトレント500に搭載されていたユーザビリティは,しっかりと踏襲されている.

ベアリングの洗浄
洗浄液を高圧ジェット噴射してパーツを洗浄する.洗浄・乾燥完了後,パーツはすぐに使用可能

2種類の洗浄剤を用意

 洗浄剤は2種類が用意される.「ストリームソリューション」は激しい汚れや油分の除去に最適な弱アルカリ性(ph10),「ストームJP」は中性(ph7.5~8.0)でアルミやガラスにも使用できる.NSF A-1グレードの洗浄剤のため,食品工場の機械洗浄に使用しても問題がない.材質に適合したケミカルを提供できるNCHの強みが生かされている.

 洗浄剤のもう一つ優れた点が,洗浄液の清潔を保ち寿命を延ばすこと.ストームソリューションの弱アルカリ性がシンクから溜められたタンク内の洗浄液の油分がタンク上部に層を作るように作用する.細かな金属カス,スラッジなどはタンク下層に沈殿するため,コンディションのいい洗浄液を循環して使用することができ,ランニングコスト抑制と地球環境の負担軽減にも貢献する.

万全のアフターフォロー

 「地球環境の保護,汚染の予防と人を大切にするビジネス」を理念とするNCHでは,アフターフォローも大切にしている.ユーザーは,機器を購入またはレンタルでき,レンタルの場合,洗浄剤(ハード,スタンダード,ライト)とフリーの部品交換,月1回の定期メンテナンスがセットになった1年のレンタル契約が用意されている.購入の場合でも洗浄剤と部品交換,メンテナンスがセットになった保守契約を結ぶことが可能.洗浄剤の補充や液管理,廃液処理などとともに機械本体のメンテナンスにNCHのスタッフが定期的に訪問するため,ユーザーによるメンテナンスは不要となる.また,洗浄液の管理により,洗浄部品への汚れの再付着を防ぎ廃棄物量の低減を実現するなど,作業時間とランニングコストの低減になるサポートもこれまで同様に行われる.

トレント700 主な仕様

トレント700外観

トレント700 外観

  • 外寸:幅1350×奥行940×高さ1650(フード開時2330)mm
  • 洗浄槽内寸:開口部横幅1040×奥行740×実用高520mm
     開口部横幅:1040mm
     シンク内床面横幅:1280mm
     シンク内床面奥行:740mm
  • 最大積載部品重量:80kg
  • 洗浄水温:45~50℃
  • 洗浄水圧:最大45bar
  • ポンプ流量:10L/min
  • 洗浄タンク容量:100L
  • 装置重量:150kg
  • 電圧:200V
  • 消費電力:2kW

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    最終更新日:2024年8月22日