旭化成エンジニアリングでは,設備診断技術者の育成のための振動診断研修に早くから取り組んでおり,2004年度より機械状態監視診断技術者(振動)資格認証試験に向けて訓練コースを実施している.
1.はじめに

図1 CBM体制構築フロー
また同社では,状態監視保全(CBM)の現場への導入の支援(CBM体制構築フロー参照)のため,設備診断システムの提供の他,設備診断技術者の育成のための振動診断研修にも早くから取り組んできており,その一環として,ISO18436-2に基づく機械状態監視診断技術者(振動)資格認証試験に向けた訓練機関として認証を受け,2004年度の第1回(認証試験6月実施)より訓練コースを開催している.
現在,同社ではカテゴリ I ,II ,III の三つのカテゴリにて訓練機関の認証を受け,それぞれ訓練コースを実施している.
2.訓練コースの特長
同社は,2004年6月の第1回から2023年第2回(2023年11月認証試験)までの過去40回の訓練コースにてカテゴリ I ~III 合計で約1,000名の訓練修了者を輩出し,高い合格率を維持している.
同社の訓練コースの特長としては,ユーザーメンテナンスの立場で,資格取得のみでなく,現場で役立つ知識,技術の習得を目指しており,以下の点が特長として挙げられる.
(1)前・後期制の余裕あるカリキュラム
同社では,前期3日間,後期3日間の2単位制分割講習とし,受験のための詰め込み講習でなく,自習時間の確保と自習時に生じる疑問点の解消のための余裕あるカリキュラムとしている.具体的には,前期から後期の間に約半月程度の期間を空けることとしており,この期間に受講生は,前期コースの復習と後期コースの予習をし,後期の訓練コース期間中に疑問点を講師に質問し,講師が説明することとなる
また,後期の訓練コースから認証試験までも1週間以上の期間を空けるようにしており,自習による理解度アップの時間を確保している.
(2)現場での診断経験豊富な講師陣
同社の講師は,外部講師ではなく,自ら現場にて実際に診断業務を実施している同社の経験豊富な診断技術者が担当しており,実際の現場での診断事例検討などにより,現場の事象に即した理解度アップを目指している.
また,診断器を用いた診断のデモンストレーションや実際の診断事例の講習により,測定技術者として現場で即,役立つ講習を目指している.
(3)講師派遣による現地訓練コースの実施

図2 ISO訓練コース風景
3.その他の振動診断研修について
ISO18436-2に基づく機械状態監視診断技術者(振動)資格認証のための訓練コースは,資格取得のための座学研修が主体となり,時間的に実習など実施に向けた時間の確保が難しい状態である.そのことが資格取得者がそのまま現場での測定技術者・診断技術者とならないという課題として指摘されている.
同社では,実習を主体とした振動診断研修を各社のニーズに合わせカリキュラムを作成し,個別に実施することでこの問題に対応している.以下に標準的な研修コースの例を示す.
1)初級診断技術者育成コース(2日間)
振動の基礎理論を基に簡易診断ができる技術者を育成する(カテゴリ I 対象).
2)中級診断技術者育成コース(3日間)
簡易診断に加え基礎的な精密診断ができる技術者を育成する(カテゴリII 対象).
3)診断技術者育成実践コース(5日間)
顧客の工場で実際に稼働中の機器を使用し実践的な測定・診断ができる技術者を育成する(カテゴリII 上級者対象).
ISO18436-2に基づく機械状態監視診断技術者(振動)資格合格者は,2024年3月時点でカテゴリ I ~IV合計で5,684名を数えるに至っている.
同社は,計測器メーカー系,設備メーカー系と異なり,実際にユーザーとして日々現場で振動診断を実施している機械状態監視技術者が講師を務めている.この点から,講師は受講者と同じ診断技術者の仲間であり,訓練機関としての訓練コースの開催だけでなく,資格取得者の実際の現場における診断においても一緒に取り組む姿勢が見られる.
<2024年度訓練実施要領>
第1回:カテゴリII(前後期制,通学制)
前期:2024年5月29(水)~31日(金)(3⽇間)
後期:2024年6月12日(水)~14日(金)(3⽇間)
第2回:検討中
会場:Web開催
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