混合石油製品の引火点の求め方 | ジュンツウネット21

混合した燃料油の引火点を計算もしくはチャートで求める方法があればご教示下さい。また,潤滑油などでは,第三石油類と第四石油類で貯蔵量が違うことから,弊社では引火点の調整をする場合もあります。これらの引火点の算出方法も例をあげて説明して下さい。

解説します。

灯油などの石油製品を容器にとり,加熱すると油温が上昇するに従って低沸点成分が蒸発しはじめ,油面を油蒸気が覆っていきます。これに炎を近づけると,ある温度で引火し,すぐ消えます。この時の温度を引火点と呼んでいます。JIS K 2265の原油および石油製品引火点試験方法のなかで,引火点とは「規定条件で試料を加熱して小さな炎を油面に近づけたとき,油蒸気と空気の混合気体に引火する最低の試料温度」と規定しています。

引火点は石油製品の種類や,また同一製品でも試験方法の違いによっても異なります。引火点の試験方法の適用については,JISでは表1の引火点試験方法の種類に示すように試料の引火点で区分しています。

表1 引火点試験方法の種類
試験方法
引火点による適用区分
適用油種(例)
タグ密閉式引火点が95℃以下の試料に適用する。原油,工業ガソリン,燈油,航空タービン燃料油
ペンスキーマルテンス密閉式引火点が50℃以上の試料に適用する。原油,軽油,重油,航空タービン燃料油,切削油剤,さび止め油
クリーブランド開放式引火点が80℃以上の試料に適用する。通常,原油および燃料油には適用しない。石油アスファルト,各種潤滑油,流動パラフィン,石油ワックス,切削油剤,熱処理油,エアーフィルター油,さび止め油

引火点試験方法は,タグやペンスキーマルテンスの密閉式とクリーブランドの開放式があり,これらの試験法を用いて同一試料を測定した場合,その試験結果はそれぞれ異なり,一般的に開放式が密閉式より引火点が5~10℃高目にでます。

石油製品など危険物を取り扱う場合に,2種類またはそれ以上の種類の製品を混合して使用することがあります。その混合油の引火点を知っておくことは,取り扱いや貯蔵のために重要なことです。その混合時に,先に説明したような試験方法で実測できればよいのですが,時と場所などによって測定できない場合も往々にしてあります。そのような時に混合前のそれぞれの製品の引火点から計算式や図表を用いて混合油の引火点を推定することができます。

石油製品の混合引火点を計算式で求める方法として次の式が用いられています。

 Fm=-100log〔(X1/100×10-0.01F1)+(X2/100×10-0.01F2
+(X3/100×10-0.01F3)+・・・〕

ただし,Fm=混合油の引火点(℃)
X1,X2,X3=各成分油の容量%
F1,F2,F3=各成分油の引火点(℃)

この式は高引火点の潤滑油に対しては実測値とよく一致するといわれていますが,混合する製品が灯油のように引火点が低い場合は誤差を生ずることがあります。

それから混合引火点を推定する方法として引火点混合指数(Flash-Point Blending Index,略してFPI)から求める方法があり,その使用例を次に示します。(図1図3を利用)

引火点190oF(87.8℃)のオイルAと引火点330oF(165.6℃)のオイルBを容量比で30:70で混合した場合の混合油の引火点は,図1から求めると,オイルAのFPIが30,オイルBのFPIが1.0です。これから混合油のFPIを求めると,

混合油FPI=(30/100)(30)+(70/100)(1.0)=9.7

図1からFPI9.7に相当する引火点は約230oF(110℃)と推定されます。

引火点混合指数
図1 引火点混合指数

また,混合引火点チャート(図2)を用いると直接混合引火点を推定することができます。オイルAの引火点190oF(87.8℃)を図の右側の低引火点油の引火点線上にプロットして,オイルBの引火点330oF(165.6℃)を左側の高引火点油の引火点線上すなわち低引火点油0%のところにプロットします。その2点を直線で結び,低引火点油オイルAの混合比である30%と交わる点の温度を見ると,混合油の引火点114℃が求められます。

低引火点油の混合引火点チャート
図2 低引火点油の混合引火点チャート

なお,潤滑油などのように引火点の高い場合は先に説明したような計算式で求めることが望ましいのですが,図3に示すような混合引火点チャートで求める方法もあります。このような方法で混合油の引火点を求めてもあくまでも推定であり,安全のためにも実測することをお薦めします。

高引火点油の混合引火点チャート
図3 高引火点油の混合引火点チャート

ブルカージャパン ナノ表面計測事業部

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