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軸受へのごみの混入 | ジュンツウネット21

軸受からごろごろという音が聞こえたので分解してみたら,グリースの中にごみが混入してました。焼損する前でしたので,グリースを入れ替えました。きちんとシールがしてあるので,ごみの入る余地はないと思いますが,グリースに異物が混入する理由と混入したときの影響を教えてください。

解説します。

軸受へのごみの混入について

グリースに混入する異物には水,塵埃,金属粉,軸受摩耗粉などがあります。完全にシールされているつもりでもいくつかの原因で異物が存在します。

グリースに異物が入る原因は,つぎのようなことが考えられます。

(1)機器組立時に混入するもの:研磨くず,洗浄油・防錆油中の異物,大気中の塵埃
(2)使用中に外部から入るもの:水,土砂,塵埃
(3)潤滑部分より発生するもの:摩耗粉,劣化生成物

特に水の浸入はいろいろな異物を同時に持ち込みます。

異物の混入はベアリングの耐荷重性能をいちじるしく低下させ,結果として寿命を短くします。さらに,音響性能に大きな影響を与えます。転がり軸受に発生する音は,ケース音,うなり音,保持器音,きず音,ごみ音などがあげられます。

転がり軸受に厳しい音響性能が求められるものとして,家庭用電気品,事務機器,映像機器など各種小型モーター用軸受,また,自動車用電装部品軸受などをあげることができます。この中でしばしば問題になる音は,おもにグリースによるごみ音(異物音)です。低騒音軸受を実現するためには,軸受精度の向上が必要ですが,見逃してはならないことは,ごみ音を発生しないグリースの選択です。ごみ音は潤滑剤中のきょう雑物(固形異物)が軸受の転動体と軌道あるいは保持器との間を通過するときに発生する異常音で,音の大きさが一定しない不規則音と振動です。ごみ音を発生させるグリース中のきょう雑物としては表1に示すようなものがあげられます。

表1 ごみ音を発生させるグリース封入軸受中の主な固形物の例
発生場所
異物
グリース製造工程 増ちょう剤の凝集物,未反応物,大気中の塵埃,溶器中の塵埃
軸受の製造工程 洗浄油,防錆油中の異物,研磨くず,大気中の塵埃
軸受使用中 摩耗粉,外部からの塵埃

グリース中のきょう雑物の測定方法を表2に示します。

表2 グリース中のきょう雑物測定方法の例
規格
測定粒子の区分
特徴
測定方法
JIS K 2220 5.9 10~25,25~75,75~125,125μm以上 10μmまでの微粒子の測定が可能 スライドグラスの上にテンプレートを載せ,このテンプレートの切り込みに試料を満たしカバーグラスではさみ百倍の顕微鏡で,きょう雑物粒子を10~25,25~75,75~125,125μm以上の4つに分けて計数する
ASTM D 1404 14kgf/cm2の圧力でアクリレート系樹脂板に傷をつける粒子 色の濃いグリース,固体潤滑剤を含むグリースに適用可能,短時間で測定可能 2枚のアクリレート系樹脂板に少量の試料をはさみ,14kgf/cm2の圧力の圧力をかけて30°左右に回し,樹脂板の摩擦面に生じた傷の数を測定する

異物混入の対策としては一般的に次のようなものがあげられます。

(1)機械組立時に,潤滑される部分,およびその周辺に異物が残らないようにする。
(2)潤滑部の洗浄には,きれいな洗浄液を使用し,よく拭き取る。
(3)潤滑剤の取り扱いに注意し,屋外に放置したり,塵埃が多い場所で保管したりしない。

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