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油圧シリンダーロッドパッキン損傷トラブル | ジュンツウネット21

油圧シリンダーロッド用パッキンの内周面全体に図1に示す摺動方向縦傷が発生しております。原因は何でしょうか。対策としてどのように対処したらよいか教えてください。

ロッド用パッキンの縦傷
図1 ロッド用パッキンの縦傷

解説します。

油圧シリンダーロッドパッキン損傷トラブル

ロッド表面(摺動相手面)の傷や表面粗さの異常などによる影響です。これには(1)かじり傷や打痕,(2)異物の噛み込み,(3)錆,(4)メッキのピンホールなどの異常原因が考えられます。

パッキンの縦傷から油漏れが発生した場合,その影響で二次現象である併用ダストシールの飛び出し破損,それに伴う谷部の貫通亀裂に進展する危険があります。ただちに,パッキンを取り替えてください。さらに直接原因であるロッドを交換し,根本原因の排除のため,作動油のコンタミ管理,軸受の構造の見直し(DUブッシュなどへの変更)を実施してください。

なお,軸受材質がFCやBCなどの場合,ロッドの表面に金属同士のせり傷や荒れが発生しやすいものです。

特にパッキンとダストシール間が軸受(金属接触)になっていると,この部分の潤滑状態が乏しいため,ロッド表面を痛めやすいので,パッキンとダストシール間は図2のように金属接触を避けるようすき間(逃がし)を設けるとよいです。

金属接触を避けるすき間
図2 金属接触を避けるすき間

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最終更新日:2022年11月28日