King Industries Inc.／楠本化成株式会社
会社の歴史
King Industries Inc.（以下，キングインダストリーズ社）は，1932年に創業者Robert J. Kingにより天然ゴム用薬剤の製造会社として設立された．その後，長男のR. Gardner Kingが事業を引き継ぎ，George Thielckeの協力の下，当時著しく不足していたゴム薬品の成分を置き換える目的で，100％化学合成品であるジノニルナフタレンスルフォン酸を開発することに成功した．このユニークな分子構造を持つジノニルナフタレンスルフォン酸の実験を続けていく中で，この酸が非常に優れた防錆性，抗乳化性を示すことを発見した．1952年にキングインダストリーズ社が防錆剤としてNA-SUL®を製品化して以来，NA-SUL®の商標は，工業用潤滑油や防錆油等の各機能分野において，最高の腐食抑制性能を現す代名詞的なものになった．
当時，キングインダストリーズ社製品は，製造元キングインダストリーズ社，発売元R. T. Vanderbilt Co.（以下，ヴァンダービルト社），という形で展開されており，日本市場へは1963 年にヴァンダービルト社の代理店であった日本メイ（株）によって輸入が始められた．1985年に，キングインダストリーズ社はヴァンダービルト社との契約を解消し，製造発売元となる．これに伴い，兼ねてより取引のあった楠本化成（株）が日本国内の事業を引き継ぎ，現在は総代理店として輸入販売業務を行っている．
キングインダストリーズ社の潤滑油添加剤事業部は，総合添加剤メーカーとなるべく，NA-LUBE®ブランドの元，摩耗防止剤，極圧剤，酸化防止剤，摩擦係数調整剤などのラインナップを拡充し，また元来の強みである防錆剤に関してもK-CORR®ブランドを立ち上げるなど，製品の幅を増やしている．
今日では，King家の3代目が事業を継承し，世界中の顧客へ高品質，高性能の特種添加剤を供給し続け，ゴムコンパウンドやインキ，特種コーティング剤，防錆剤，工業用潤滑油等の各種配合に用いられている．
日本総代理店である楠本化成（株）の歴史は，1926年に創業者楠本二郎が天然樹脂・溶剤・工業用薬品等の化成品専業問屋として，楠本商店を発足した時に遡り，以後塗料・インキ・接着剤業界を中心に専門商社として事業活動を展開している．また，1956年に塗料用添加剤の生産部門を開設し，以後「ディスパロン®」商標の製品は，塗料分野において世界中で幅広く使用されている．キングインダストリーズ社は，長らく「ディスパロン®」のアメリカ総代理店を務めており，両社は互いに総代理店として活動している．
主要製品
