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油圧プレスシリンダーピストン傷による油漏れトラブル | ジュンツウネット21

油圧駆動によるプレスを使っています。油漏れが起こると,シール交換でとりあえず凌いでおります。しかし,だんだんひどくなり,シール交換の頻度が激しくなりました。どうもシリンダーの内部とピストンの外部がかじってしまったようです。シリンダーの予備を買うまで応急処置をしたいのですが良い方法を教えてください。

解説します。

油圧プレスシリンダーピストン傷による油漏れトラブルについて

図1に想定したかじりを示します。シリンダーとピストンのかじりによる油漏れは,必要な圧力を得られないばかりでなく,外部への漏洩となり,資源の垂れ流しと共に,環境汚染の原因ともなります。

さらに詳しく確かめるためには反圧力側のホースをはずして加圧し,ピストンからの漏れを調べてください。

シリンダーとピストンの傷(想定)
図1 シリンダーとピストンの傷(想定)

かじり発生の根本対策は作動油汚染の防止とフィルターによる汚染管理です。とくにアクチュエイターにミスアライメントが発生しやすい場合は,かじりは加速度的に進行するので,注意が必要です。しかし,貴社のケースでは一時的に応急処置を必要としておりますので,ひとつの事例を紹介します。

ピストンの傷の深さが浅いときは,摩耗対策として施してあるめっき層を研削して,再めっき,再研磨する方法がありますが,今回のケースでは相当長い期間傷を放置していたと考えられますので,傷が深いことを想定します。

(1)分解したシリンダーおよびピストンの表面を脱脂します。この場合傷の内面まで丁寧に洗浄することが,応急処置を成功させるコツです。次にガス溶接用の酸素アセチレンの弱い炎で傷の部分を200℃に予熱する。

(2)ピストン外周は,一般的にハードクロームめっきが施してあるので,めっき層にものる,銀ロウを使い,余熱温度に達したら,傷にさしてゆく。フラックスが黒く変色すれば,ロウが傷を埋めたと考えてよい。完全に凝固するまで動かさない。

(3)傷を埋めたら余分なロウとフラックスは取り除く。フラックスは傷を埋めるまでは大切な役目をするが補修終了後はごみであり,悪さをすることになる。完全に洗い流すことが大切です。

(4)次にサンドペーパーやヤスリでピストンの外径を仕上げる。シリンダーの内径についても同様に傷を埋め,あたりを見ながら仕上げる。

(5)作動油を洗浄または交換,フィルター清掃または交換して,本体を組み込む。

ブルカージャパン ナノ表面計測事業部

アーステック



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最終更新日:2020年3月6日