潤滑油そこが知りたいQ&A

油圧シリンダーのメンテナンス | ジュンツウネット21

当工場は優秀な保全員がいるので現地で部品交換をしながらシリンダーのメンテナンスを実施しております。しかし,最近その頻度が多くなってきたような気がします。何かヒントはありませんか。

解説します。

油圧シリンダーは部品が多く,しかもそれぞれは重要な役目を果たしております。さらに,使用中のなじみなどから相互のバランスが大切です。

したがって,とりあえず見つけた不具合部分を取り替えただけでは問題が解決しないことのほうが多いです。そこで,シリンダーの主要部位の役割とトラブルについておさらいしてみます。

(1)ピストン

ピストンには圧力流体をシールし,推力を発生させる機能のほかに,ピストンロッドの走行を支持する軸受の機能も持っております。

パッキンには,UパッキンまたはVパッキンが用いられています。ピストンが油圧を受けて摺動する際,パッキンのリップ面が圧力によってチューブ面に押し付けられながら摺動するため,摺動速度が大きいとシールリップに焼きつきを生ずることがあります。一般には500mm/sec以下が目安です。さらに,パッキンの摺動により,リップ面が摩耗して漏れが増大して寿命に達することがあります。この寿命は500~800kmが一般的目安です。

次にピストンの軸受機能を果たす中央部分には,銅合金の肉盛りを行ったり,ウェアリングと称する樹脂メタルを装着したりするが,この部分のチューブとの隙間が摩耗により増大すると,パッキンの負担が増し,パッキン寿命を低下させることになります。

これらを踏まえてメンテナンスしますが,ほとんどの場合パッキンが摩耗して漏れが増大したときは同時にチューブの内面も筋状の傷がついているものです。したがって,パッキンのみの取替えでは問題は解決しません。

(2)クッション

シリンダーをストロークエンドで停止させる際,停止の衝撃を緩和する機構がクッションです。図1にクッションの構造部を示します。クッションリングがクッションボアにかかると,油の流れがaの細い部分だけとなり,流れを規制するので減速されます。

クッション機構
図1 クッション機構

流れの規制はクッションバルブの開度調整によって行われます。したがって,この調整によりショックの効き方違ってきます。シリンダー取付部分のトラブルはこの調整バルブの調整の仕方が悪い場合があります。取り付けボルトなどを交換しただけで問題が解決したことにはなりません。

(3)グランド部

グランドは油圧を密封する役目のほかにロッドを支える軸受機能も果たします。Vパッキンの場合,パッキンの締め付け調整が重要です。過大な締め付けは摺動抵抗を増し,さらにパッキン寿命を低下させます。締め付ける際は作動させて油漏れがない程度に調整し,押さえ板はシムを入れて締め殺すことが大切です。パッキンを押し込んだ力でそのままにしておくとパッキンの死に方や繰り返し力によりボルトが緩み,折損の事故を発生させることになります。

(4)ピストンロッド

ピストンロッドは装置に力を伝達する役目であり,座屈などに耐える十分な強度が必要です。そのためシリンダーチューブが同一であってもロッドの径が幾種類にも分かれております。したがって,作動油の圧力を変更するなど負荷に関する変更があった場合はピストンロッド径の再チェックが必要です。

ピストンロッドの最も多いトラブルは表面に傷入りです。表面の傷入り防止策が重要となります。

ブルカージャパン ナノ表面計測事業部

アーステック



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最終更新日:2020年3月6日