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折損ボルトの抜き方とボルトに関する注意事項 | ジュンツウネット21

たかがボルトと思っておりましたが,ボルト・ナットに関するトラブルが多発しております。特に折損した植込みボルトなどは抜けなくなって全体を取り替えるなど,大きな事故につながっております。

解説します。

とりあえず,植え込みボルト折損時の抜き方について述べます。

スクリューエキストラクターを使って抜きます。折損したボルトの中心部に,エキストラクターの先端より少し大きめの穴をあけ,そこへエキストラクターをあてがい,左に回すと穴の内部に食い込んでボルトを抜き取ることが出来ます。この時,エキストラクターを入れてハンマーで強くたたいてはいけません。ボルトが広がって穴とのはめ合いが強くなり抜くときの抵抗になったり,エキストラクターのスクリューが摩耗し食い込みが悪くなったりします。

ボルトの中心部にあける穴径は,ネジ山に影響がないように,ボルト径の60%程度にし,穴の深さはエキストラクターが十分働ける程度にします。

次にボルトに関する注意事項をいくつか述べておきますので参考にしてください。

(1)ボルトは下から差込み,上からナットで締めること。上部に出たボルトのねじの寸法で,かたじめを見つけることがでます。さらに,ナットが外れたときはボルトが落下するので,すぐ見つけることができます。

(2)ボルトは適切な力で均等に締めること。締めすぎは伸びたり,折損したりする原因となります。また,かたじめはパッキン破損の原因となります。

(3)ボルトのゆるみ止めを正しく実行する。たとえば高張力ボルトを溶接固定してはいけない。

(4)チャンネルなど勾配のある座面には,勾配座金を使用する。(図1

勾配座金の使用例
図1 勾配座金の使用例

(5)ダブルナットは厚いナットを上に使う。(図2

ダブルナットの締め付け
図2 ダブルナットの締め付け

(6)リーマボルトの穴に普通のボルトを入れてはいけない。さらにリーマボルトをヤスリで削って細くして,がたがたで使ってはいけない。

(7)硬度指定されたボルトにSS41のナットを使ってはならない。

ブルカージャパン ナノ表面計測事業部

アーステック



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最終更新日:2022年12月1日