潤滑油そこが知りたいQ&A

研磨機主軸スプライン偏摩耗の応急処置 | ジュンツウネット21

研磨機主軸スプラインが加重のかかる一定方向の面のみ摩耗し,回転時の異常音が激しくなりました。加工精度にばらつきが出る可能性があります。予備を製作するには3ヵ月を要し,さらに費用が莫大です。保全費予算がありません。早めに応急処置ができればと考えております。何かよい方法はありませんか。なお,摩耗状況は図1に示すとおりです。

研磨機主軸スプライン摩耗の断面
図1 研磨機主軸スプライン摩耗の断面

解説します。

応急処置実施に際し,スプライン軸の機能と生産状況から,重要な項目は次のとおりです。

  1. 修理後ひずみが出ないこと
  2. 短時間で修理できること
  3. 応急処置後少なくとも3ヶ月は正常で使用可能なこと

(1)摩耗部の加工と補正板用溝加工

約3mmの摩耗部を除去するために,横フライス盤に4mmのメタルソーを取り付けて加工し,平坦にする。次に補正板装着溝を3mm切り込み,図2に示すように加工する

スプラインの加工
図2 スプラインの加工

(2)補正板の製作

4×7.5×255(mm)の補正板を製作する。特に4mm幅寸法に関しては,加工精度が耐久力に影響するため,高精度平面研削盤で慎重に仕上げる(+0.02mm~+0.04mm)。なお,両面仕上げとする。

(3)補正板の装着

補正板の幅が約0.02mm大きいので叩き込むと変形するため,補正板をドライアイスで-20℃まで冷却し,冷やしばめを行い,同時にエポシキ系接着剤で固定する。

(4)仕上げ加工

スプライン外径をヤスリにより手仕上げで,図3のように仕上げる。

応急処置完成図
図3 応急処置完成図

アーステック

SURTECH 2025



「技術者のためのトライボロジー」新発売!
「技術者のためのトライボロジーお申し込みはこちら

「潤滑剤銘柄便覧」2025年版 発売中!
「潤滑剤銘柄便覧」2025年版お申し込みはこちら

「初めての転がり軸受」 新発売!
「初めての転がり軸受」ご注文はこちら

「やさしいグリースの話」発売中!
「やさしいグリースの話」お申込みはこちら

モレスコテクノ
○モレスコテクノ
潤滑油・エンジン油・燃料油・切削油の分析
https://www.morescotechno.co.jp/

ジェーシーサービス
○ジェーシーサービス
省エネルギー,省資源を通じお客様と地域環境との潤滑剤になることを目指しています
http://www.jcs-oil.jp/

最終更新日:2024年12月20日