高圧ポンプをメーカーの指示にしたがってオーバーホールしました。その後気が付いたら,以前にはなかった異常現象が時々発生しています。その度にオーバーホールを繰り返していますが,周期がだんだん短くなってきています。このままでは長期間の安定稼動を保証できません。原因はどこにありますか。
解説します。
どのようなタイプの高圧ポンプなのか分かりませんが,一般には高圧を保障するポンプは据付精度,ポンプ内部各部の隙間が大切です。
オーバーホールを不用意に実施すると初期の状態に戻らずバランスを崩してしまうことがあります。これらは異常現象で,ある程度判断がつきます。
そこで,原点に戻り各種異常とその原因について整理し,代表的なものを表1に示します。
表1 ポンプの異常現象とその原因
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ひとつの原因が分かった時点で終わることなく,すべての事項について調査し,確認してください。古くなっておりますのでいろいろな箇所で部品等が少しづつ摩耗,劣化していることが予想されます。
しかし,大切なことはメーカーで製作組み立てを行うときは,非常に良い環境で細心の注意を払いながら,専門家が実施しているということです。据え付けられている現地で,周囲環境も無視して,場当たり的実施したオーバーホールでは結果は保証できません。できうる限りメーカーの環境に合わせて慎重にオーバーホールを実施してください。できればメーカーの専門家に,立会指導をお願いすることです。
コンディションモニタリングBOX
メーカー別製品一覧
コンディションモニタリング機器の紹介
解説 コンディションモニタリング
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IHI 小林 英夫 - 原子力発電プラントにおける設備診断の現状と課題
東芝 渡部 幸夫 - 鉄鋼プラントにおける設備診断の現状と課題
新日本製鐵 村山 恒実 - 化学プラントにおける回転機設備診断機器の有効な活用法
三井化学 三笘 哲郎 - 化学プラントにおける設備診断の現状と課題
昭和エンジニアリング 里永 憲昭,梶原 生一,山路 信之,三重大学 陳山 鵬 - 地震時のエレベーター自動診断・自動復旧システムの開発
三菱電機ビルテクノサービス 西山 秀樹 - 設備診断技術を設備管理にどう活かすか
新日本製鐵 藤井 彰 - 振動診断のメカニズムと特徴,今後の展望
三重大学 大学院 陳山 鵬 - AE診断法とその特徴,今後の展望
THK 吉岡 武雄 - 超音波診断のメカニズムと特徴,今後の展望
高知工科大学 竹内 彰敏 - 音響診断のメカニズムと特徴,今後の展望
広島大学 大学院 中川 紀壽 - 潤滑油測定のメカニズムと特徴,今後の展望
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