わが工場では,メンテナンス用の予備品が十分管理されず,時々トラブルを起こしております。しかし,きちんと管理するためには,それなりの体制,費用がかかると思います。予備品管理を正しく行ってそれに見合うメリットを出したいと思います。どのように進めたら良いのですか。
解説します。
予備品を管理する目的を明確にすることからはじめます。
一般に言われている予備品管理の目的は次に示すものです。
(1)予備品不備による休止損失を減少する
(2)適正在庫管理による在庫維持費を減少する
(3)計画的発注方式などにより購入のための事務費を減少する
(4)工事計画に密着した適正納期管理により,工事準備や工事実施の作業能率を向上させる
(5)消耗量を把握することで,設備,機器,部品などの弱点を見つけることができる
(6)消耗量管理により予備品品質の改善を図る
これらの目的を達成させるためには,予備品を一品ごとに性格づけし,目的にしたがって分類し,データが集め易いようにすることです。それには,使用量を正確に把握することが前提です。すなわち,使う側の意識も大切です。
よく使われる分類・区分を表1,表2,表3,表4に示します。
表1 一般的な範囲区分
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表2 在庫管理区分
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表3 予備品性格区分
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表4 予備品特性区分
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予備品管理の目的(1)はそのまま計算できます。(2)~(4)は分類・区分を利用して,在庫数,発注方式などを正しくすることにより,結果として現れるメリットです。(5),(6)はデータを十分利用した前向きの活動で,これこそがメンテナンス活動の真髄です。
コンディションモニタリングBOX
メーカー別製品一覧
コンディションモニタリング機器の紹介
解説 コンディションモニタリング
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IHI 小林 英夫 - 原子力発電プラントにおける設備診断の現状と課題
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新日本製鐵 村山 恒実 - 化学プラントにおける回転機設備診断機器の有効な活用法
三井化学 三笘 哲郎 - 化学プラントにおける設備診断の現状と課題
昭和エンジニアリング 里永 憲昭,梶原 生一,山路 信之,三重大学 陳山 鵬 - 地震時のエレベーター自動診断・自動復旧システムの開発
三菱電機ビルテクノサービス 西山 秀樹 - 設備診断技術を設備管理にどう活かすか
新日本製鐵 藤井 彰 - 振動診断のメカニズムと特徴,今後の展望
三重大学 大学院 陳山 鵬 - AE診断法とその特徴,今後の展望
THK 吉岡 武雄 - 超音波診断のメカニズムと特徴,今後の展望
高知工科大学 竹内 彰敏 - 音響診断のメカニズムと特徴,今後の展望
広島大学 大学院 中川 紀壽 - 潤滑油測定のメカニズムと特徴,今後の展望
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