減速機の騒音に悩んでおります。どのように対処したらよいですか。
解説します。
騒音がいつごろから発生したのかによって,対処の方法が違ってきます。
まず,これまで何の問題もなく運転されていた減速機に,突如として振動が発生し,騒音が出てきたことを想定して原因を洗ってみます。
機械系として,ボルトの緩み,ベアリングの異常,ギヤの歯欠損,軸の曲がりなどをチェックして,正しい状態に修正してください。しかし,機械系に異常がない場合は,モーターあるいは電気制御系が原因であることも考えられます。
モーターが振動する原因としては,ブラシと整流子の接触不良,タコメータージェネレーターの内部断線,あるいは電気制御系と機械系の共振現象が上げられます。難しい問題ですが冷静に対応し,早く原因を見つけて,異常を修正してください。
次に次第に騒音が増大してきた場合は,ギヤの歯面の摩耗など異常が増大してきたケースがあります。
歯面の異常についてはそれぞれ原因がありますので,参考資料によるか,専門メーカーに相談して,根本原因の除去が必要です。
その他,減速機設置当時から比較的音が高いという例もあります。その場合は初期の仕様からチェックし,荷重,回転数,歯車精度などと初期の騒音許容値を確かめてください。
特別なケースとして,据え付け精度不良でカップリングの芯が多少くるっていたなどがあります。この芯に関しては据え付け方により,運転中にどちらかが動き,くるってくることがあります。これも確かめる必要があります。いずれにしても,設計不良のケースを除いて,非常に常識的な原因の場合がほとんどです。
あまり大げさに考えないで,ひとつひとつ退治してください。参考に騒音許容値を表1に示します。
表1 聴力保護のための騒音許容基準(単位:dB)
|
コンディションモニタリングBOX
メーカー別製品一覧
コンディションモニタリング機器の紹介
解説 コンディションモニタリング
- 設備診断技術の動向と今後の展望
大阪市立大学 大学院 川合 忠雄 - ガスタービンにおける設備診断の現状と課題
IHI 小林 英夫 - 原子力発電プラントにおける設備診断の現状と課題
東芝 渡部 幸夫 - 鉄鋼プラントにおける設備診断の現状と課題
新日本製鐵 村山 恒実 - 化学プラントにおける回転機設備診断機器の有効な活用法
三井化学 三笘 哲郎 - 化学プラントにおける設備診断の現状と課題
昭和エンジニアリング 里永 憲昭,梶原 生一,山路 信之,三重大学 陳山 鵬 - 地震時のエレベーター自動診断・自動復旧システムの開発
三菱電機ビルテクノサービス 西山 秀樹 - 設備診断技術を設備管理にどう活かすか
新日本製鐵 藤井 彰 - 振動診断のメカニズムと特徴,今後の展望
三重大学 大学院 陳山 鵬 - AE診断法とその特徴,今後の展望
THK 吉岡 武雄 - 超音波診断のメカニズムと特徴,今後の展望
高知工科大学 竹内 彰敏 - 音響診断のメカニズムと特徴,今後の展望
広島大学 大学院 中川 紀壽 - 潤滑油測定のメカニズムと特徴,今後の展望
福井大学 大学院 岩井 善郎