ギヤーポンプが手で触れないほど温度が上昇してしまいました。原因と対策を教えてください。
解説します。
ギヤーポンプの温度上昇について
一般に設備は仕事をしますので,必ず温度が上がります。
したがって,常日頃の点検が大切です。通常どのくらいの温度で作動しているか,いわゆる平熱を知っておく必要があります。この場合は,最近になって,温度上昇がひどくなったと仮定します。
歯車ポンプの発熱は,一般には歯車とケーシング間の内部リークとグランド部の摩耗によるものがあります。特殊なケースとしては,液体である油自体の温度が高すぎることもあります。歯車とケーシング間の内部リークは構造上やむをえないものですので,ポンプの性能を満足していれば,問題はありません。
グランドパッキン部の発熱が激しいときは,グランドパッキンの焼きつきに発展するため,パッキンの締め付けを調整してください。油自体の温度が高いと少しの発熱でも,ポンプが高温に達してしまうことがあります。適切な温度に冷却して送油してください。
その他に吸い込み配管にエアがたまり,ポンプ吸い込み不良を起こし,ケーシング,軸受部が高温となる場合があります。放置すると焼きつきとなりますので,ポンプの設置位置,吸い込み配管形状などを調査してください。
配管設計,施工時にエアポケットを作らないようにすることも大切です。
コンディションモニタリングBOX
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