チェーン駆動の設備がありますが,チェーンの張り具合がまちまちです。標準的な調整方法を教えてください。
解説します。
チェーンの張り調整について
まず,チェーンのたるみは,図1に示すように,軸間距離の2%以内に収めてください。
図1 チェーンのたるみ |
次にチェーンメンテナンス上注意すべきことをあげておきます。参考にしてください。
(1)1度切り詰めたチェーンは,次にたるんだときは取り替えること。
(2)衝撃によって動きやすい軸受は,図2に示すようにいざり止めストッパーをつけること。このいざり止めは,スライドできるようにボルトで固定すること。
図2 チェーンスプロケットストッパー |
(3)垂直に使うチェーンは,たるむとスプロケットから外れやすいので,駆動側に近いほうにアジャスト装置を取り付けること。
(4)ローラーチェーンの継手リンクをクリップで止める時は,クリップを進行方向の反対側に向けてセットすること。(図3参照)何かがぶつかったとき落下する危険があるからです。
図3 チェーン止めクリップの取り付け方 |
(5)チェーンに目とびが発生したら直ちに処置すること。目とびには図4に示すチェーンの伸び,図5に示すスプロケットの摩耗,芯の狂いなどがあります。いずれも放置すると重大事故につながります。
図4 チェーン伸びによるたるみ |
図5 チェーンスプロケット摩耗によるたるみ(スプロケットを取り替える) |
(6)チェーンの張りを正しくするとき,弛み調整に使われるオフセットピンは1つにすること。
コンディションモニタリングBOX
メーカー別製品一覧
コンディションモニタリング機器の紹介
解説 コンディションモニタリング
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