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軸受内輪剥離と振動 | ジュンツウネット21

ベアリング内部より採取したグリースの中に,金属剥離片を見つけました。グリースを追加して,一時しのぎしましたが,振動加速度値が低下してきました。金属片は何かの間違いだと判断し,そのまま使用しておりましたら,突然焼損し,シャフトまで傷つけてしまいました。何が原因だったのでしょうか。

解説します。

軸受内輪剥離と振動について

ベアリング損傷が進むにつれて,加速度値が一方向に増加する場合とそうでない場合があります。

図1に事例を示します。ベアリング内輪にクラックが入り,徐々に剥離した事例です。初期段階では加速度値が増加していますが,末期になると減少傾向にあります。これはクラックによって発生した鋭角の傷口が,ころの衝突で丸みを帯びてきて,衝撃性の高周波振動から低周波の振動に変化していったためと考えられます。加速度が減少したからといって安心していては危険です。せっかくグリース中の金属片を見つけたのですから,分解点検を実施していたら大きな事故にならずにすんだと思います。

軸受内輪に剥離がある場合の振動変化事例
図1 軸受内輪に剥離がある場合の振動変化事例

アーステック



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最終更新日:2022年11月28日