当工場は比較的に設備が安定稼動していると自負しております。なぜかといわれるとはっきりした答えはありません。今まで一生懸命メンテナンスしてきたというしかありません。担当者もこの安定状態に合わせて,新人は加えず,結果として省力化しております。
しかし,最近退職者が増えてきました。頼りにしてきた年配者が多く定年を迎えようとしております。このまま安定稼動を続けるためには新人を早く一人前のメンテナンスマンに育て上げなければなりません。まず何から教えたらよいでしょうか。
解説します。
新人教育のコツについて
大変難しい問題です。2007年問題といって,これから数年間はドンドン定年退職者が発生してきます。人が面倒を見て始めて設備が安定稼動するものだということを会社経営者が理解していなかった結果です。まごまごしていると設備がめちゃくちゃになって,生産齟齬をきたすことになります。どのような設備があるのか分かりませんが,奥の手を紹介します。
機械設備は動いてはじめて生産します。スムースに動かすことが大切です。動くところには摺動面があります。その摺動面には必ず潤滑剤が供給されております。これに目をつけましょう。
われわれは,潤滑システムにより潤滑剤を適切に重要な個所に供給しております。そこで,生産設備をスムースに稼動させるためにまずやらなければならないことは,この潤滑システムの正常作動を保障することです。
これは,そんなに難しいことではありませんので,新入社員でもすぐ理解できるでしょう。
潤滑システムの保守管理で注意すべきことは次のような点です。
(1)潤滑システムの正常な状態を把握する
- 構成機器の機能チェック
- 各部位の温度,音,振動などのチェック
- タンク内の油面,油音,泡立ち,匂いなどのチェック
- ポンプの吐出量,吐出圧力,音,温度などのチェック
- フィルターの目詰まりによる差圧の変化の把握
(2)運転中の潤滑システムの状態を定期的にチェックする
よく点検保守されると潤滑系の故障はほとんどありませんが,参考のために潤滑系に発生する故障とその原因,対策を表1に示しておきます。
表1 潤滑給油系の故障原因と対策
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コンディションモニタリングBOX
メーカー別製品一覧
コンディションモニタリング機器の紹介
解説 コンディションモニタリング
- 設備診断技術の動向と今後の展望
大阪市立大学 大学院 川合 忠雄 - ガスタービンにおける設備診断の現状と課題
IHI 小林 英夫 - 原子力発電プラントにおける設備診断の現状と課題
東芝 渡部 幸夫 - 鉄鋼プラントにおける設備診断の現状と課題
新日本製鐵 村山 恒実 - 化学プラントにおける回転機設備診断機器の有効な活用法
三井化学 三笘 哲郎 - 化学プラントにおける設備診断の現状と課題
昭和エンジニアリング 里永 憲昭,梶原 生一,山路 信之,三重大学 陳山 鵬 - 地震時のエレベーター自動診断・自動復旧システムの開発
三菱電機ビルテクノサービス 西山 秀樹 - 設備診断技術を設備管理にどう活かすか
新日本製鐵 藤井 彰 - 振動診断のメカニズムと特徴,今後の展望
三重大学 大学院 陳山 鵬 - AE診断法とその特徴,今後の展望
THK 吉岡 武雄 - 超音波診断のメカニズムと特徴,今後の展望
高知工科大学 竹内 彰敏 - 音響診断のメカニズムと特徴,今後の展望
広島大学 大学院 中川 紀壽 - 潤滑油測定のメカニズムと特徴,今後の展望
福井大学 大学院 岩井 善郎