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油圧シリンダー停止時の衝撃 | ジュンツウネット21

当社は油圧シリンダー駆動を多く使っております。きわめてスムースに動いているものとショックを伴う個所があります。特に停止するとき全体が揺れるような衝撃を与えるものもあります。これでよいのでしょうか。設備が壊れそうで心配です。

解説します。

油圧シリンダー停止時の衝撃について

シリンダーは調整の仕方でいろいろな動きをします。したがって,適切に調整して使うのが正しい使い方です。一つひとつの動きが良く分かりませんが,いくつかの調整事例を紹介します。

(1)絞り弁,チェック付き絞り弁により,シリンダーへの流量を調整し,シリンダースピードを和らげて,ショックを防止する方法。

最も簡単であるが,1次圧,2次圧の圧力差の変動により,絞り弁開度が同じでも通過流量が変化するので,圧力差が少なく,あまり精度を必要としないところで使用する。

(2)流量調整弁,チェック弁付き流量調整弁による方法。

この弁は圧力補償装置(差圧一定型減圧弁)と絞り弁の組み合わせであるために,圧力変動による流量変動はほとんどない。また,作動油温度変化に対しても薄刃オリフィス形絞り弁のためほとんど影響は受けない。ただし,流量調整弁の使用回路には,メータイン制御,メータアウト制御,ブリードオフ制御があるので,十分検討すること。

(3)パイロット操作流量調整弁による調整。

この弁は,流量調整弁の流量調整ハンドルの機能を油圧シリンダーで行い,アクチェエータの加速,減速をスムースな流量特性により,ショックなく制御することができる。

(4)シリンダーのクッション機構を調整する。

シリンダーにはクッション機構がついており,前進端,後退端付近のショックを吸収するようになっている。その構造は図1に示すとおりで,ポートにクッションが入ると,遮断された室内の油はチョークを通って排出されるが,調整ねじを絞って自由にスピードを調整できる。したがって,この調整をしっかりすることで,ショックは収めることができる。

油圧シリンダーのクッション機構
図1 油圧シリンダーのクッション機構

アーステック



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最終更新日:2022年11月28日