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振動測定値の変動 | ジュンツウネット21

当工場では同じような設備が並んでおります。代表的なものを選んでグループ代表として測定しております。最近時々数値が変動して読み取りにくくなることがあります。また,一台だけ測定値が大きく変動することもあります。全体の傾向管理としては最大,最小,中央値のどの値を残してよいか,迷っております。

解説します。

振動測定値の変動について

測定値は最も正しい数値を出していると考えてください。測定値が変動する原因には,ベルトのスリップ,歯車軸のミスアライメント,流体継手のアンバランスなど回転機構異常や他部位からの誘導があります。

測定値が変動し始めたら,回転機構の異常をチェックしてください。これは測定していることが大変役に立ったという事実を示しております。

その他データ管理に関する注意事項を2,3あげておきます。

(1)振動測定データにより設備の異常を発見したり,振動値の傾向管理を進めておりますが,多くの場合振動値の許容範囲が与えられております。許容範囲を超えたときだけ異常として報告されることになっております。しかし,データはいろいろなことを語りかけておりますので,数値だけを観察していてはその語り掛けを受け止めることはできません。図1に示すように必ずグラフにして,傾向の変化を読み取り,必要な場合は,精密点検などに移動してください。

データの変化を数値のみとグラフにした時の比較
図1 データの変化を数値のみとグラフにした時の比較

(2)回転数が一定で運転される設備でも,負荷変動があったり,回転機構に異常があったりすると簡易診断器の瞬時値表示が変動してしまい,判断に迷う場合があります。このような場合は,図2のようにペンレコーダーなどで連続記録をとり,瞬時の変化と全体の傾向をつかみそれぞれの現象にあった処置をとるようにしてください。

ペンレコーダーで連続記録した事例
図2 ペンレコーダーで連続記録した事例

(3)一定周期で変動する振動の場合,たとえその数値が許容値内に入っていても見逃してはいけません。歯車のわずかなミスアライメント,ベルトのスリップなどが原因の振幅変調や流体継手をはさんだ1次側と2次側のアンバランス,近接した回転数の設備相互間の干渉などを原因とするうなりによるものがあります。データはすべてのこと知らせてくれるという原則に従って,原因を究明し対策をとりましょう。

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最終更新日:2022年11月28日